概要
創元SF短編賞1次落ち作品です。
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- ★★★ Excellent!!!痛みと怒りで駆動する、衝撃の人体改造SF文学
とあるアイドルグループのセンター、ゲッカちゃん。彼女が「自分は本当は月人《うさぎ》なのだ」と信じて、あろうことか闇の外科医に頼んで自身の身体を「解剖学的に正確な」ウサギに作り替えていく、というすさまじいSF小説です。
私の読みがあっているのか若干自信ありませんが、とにかく文章がひりつくような痛みと怒りで駆動しているような感覚があり、読み進む手が止まりません。人間の尊厳とは? 自分が信じている現実とは? みたいな領域の事柄を考えさせられます。ウサギらしく両目を顔の左右に付けると視界が三百六十度になるのですが、正面の鏡に映る自分の顔が見えなくなってしまうのだとか。そんな知識をこんな形で知りたく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ただしいうさぎのなりかた
容姿に優れるという一点において、
賞味期限付きの「アイドル」として消費されてきた少女。
彼女が選んだのは、自らを月人(うさぎ)へと『戻す』こと。
本作の白眉は、その徹底した「解剖学的正確さ」にある。
人とうさぎの解剖学的な対比を描き、一つ一つ、取り返しのつかない処置を重ねる――。
それは彼女の人生の解剖学でもある。
時に『解剖学的正確さ』とは性器や陰部まで正確に描くことを隠喩するものだが、まさにその機能を以て彼女の『生への飽き』を浮かび上がらせる。
彼女にとっては「本当の姿」を取り戻す救済の儀式だが、
『常識的』な世界に住む私たちには、緩やかな自殺にしか見えない。
それがどんな結末を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!アイドル、本気でウサギを目指す
それなりに売れっ子アイドルだった主人公、ゲッカ。彼女は実はずっと一つの想いを抱えていた。
『この美少女の肉体はかりそめの姿なの、私ほんとはウサギなの、きっといつか月に帰るわ。』
そんなことを思い、ウサギになることを夢見る彼女。
ファンタジーならほんわかしたストーリーが生まれそうな設定ですが、これはSF。
夢の実現のため彼女がしたのは、闇医者に頼って、強度の整形手術を受けること。
当たり前ですが、ヒトとウサギの解剖学的構造は相当異なります。
でも、それを無理やり実現するとしたら何が起こるか……。
SF ですが、かなりホラー寄りの一作。
個人的に、ホラーの公募なら上位に食い込んでも不思議は…続きを読む