概要
水槽の底で、誰も嵌めていない指輪が光っている。
大阪、築三十八年のマンション五階。エレベーターは三ヶ月壊れたまま。
夜中に妻が夫を起こす。「また下におるんやけど」——階下に何かいる、と妻は言い続ける。夫はしぶしぶ起き上がり、何もいない部屋を確認し、また戻る。それだけのことが、夜ごと繰り返される。
洗面台の横の水槽に、金魚はもういない。あるのは水だけ。そしてその底に、妻がある朝黙って沈めた二人分の指輪が、ぼんやりと光っている。
三十一年間連れ添った夫婦の、言葉にならない何かについての物語。
夜中に妻が夫を起こす。「また下におるんやけど」——階下に何かいる、と妻は言い続ける。夫はしぶしぶ起き上がり、何もいない部屋を確認し、また戻る。それだけのことが、夜ごと繰り返される。
洗面台の横の水槽に、金魚はもういない。あるのは水だけ。そしてその底に、妻がある朝黙って沈めた二人分の指輪が、ぼんやりと光っている。
三十一年間連れ添った夫婦の、言葉にならない何かについての物語。
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