概要
この街では、人も記録も、最初から「なかったこと」になる。
それでも、消えた誰かを覚えている者たちがいる。
忘れられた名を胸に抱え、水辺に立っている者がいる。
異界から来た少年、こはく。
正しいことに拘り続ける少女、深夜(みや)。
水を手放せない少年、恒一(こういち)。
境界都市・天ヶ井。
異界との接触が日常のすぐ隣にあるこの街で、三人はまだ、守られる側にいる。
ある事件をきっかけに、彼らは知ることになる。
この街を守る大人たちは、傷を抱えながら立っているのだと。
逃げるだけでは、生きていけない。
正しいだけでは、守れない。
水を握りしめるだけでは、誰かに届かない。
少年たちもまた、水辺に立つ。
この街で生きるために、明日の自分には何ができるのかを知るために。
注記1:この作品の本文は作者が執筆・改稿し、最終的な採否を判断しています。
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