声

未来を映す「オラクルシステム」。
しかし、その裏で開発された違法な「干渉システム」は、過去に干渉し歴史を書き換える禁断の技術だった。

両親を亡くし、里子として育った少年・アキは、ある日偶然システムを起動してしまう。
自分の声に反応する装置。そこから浮かび上がる両親の秘密、そしてAIとして彼を導く“カナ”が実の叔母であることを知る。

やがて姿を現した黒幕・神園。彼こそが干渉システムを操り続けた張本人であり──そして未来の「アキ」自身だった。
繰り返し過去を変えようとして、人格を失ったもう一人の自分。
彼を受け入れ、赦すことこそが、システムを終わらせる唯一の方法だった。

「未来を変えるのではなく、未来を選ぶ」
アキは声に込めた最後の言葉で、時の輪を断ち切り、前へと歩き出す。