凡才お兄様は悪役気質な妹の性格を矯正したい

伯爵令嬢ジーニアスは産まれた時から様子がおかしかった。
一歳足らずで話せるようになり、二歳で文字や計算を覚え、三歳で大人顔負けの高い知能を持っていることが判明する。

兄であるコモンは、そんな異常な天才児である妹を嫌っていた。
何故なら妹は、５歳児にして屋敷中の使用人を掌握していたからだ。
誰も彼女には逆らえない。我儘なお姫様だからではない。いやそれもあるが。
人は己が敵わないと感じた相手に対し、生存本能として服従する傾向にある。
伯爵令嬢としての身分、他人を支配し服従させる才能、そして美貌まで備え始めている妹ジーニアスに、凡人である兄が勝てるはずもなかった。

だがある日彼は思い出した。
もしかして、自分の妹は『悪役令嬢』なのではないのかと。
そう気付いたコモンは、妹の性格を矯正すべく奮闘…続きを読む