仕事から帰ったら美少女メイドに癒されよう~俺の宇宙船に搭載されてるAIナビゲーターがアップデートされたら、美少女メイド化した件~

「マスター、お仕事お疲れ様でした。おかえりなさいませ」


(カチャリ、と扉の開く音。宇宙船の中の居住スペースには、清潔感あふれる白いエプロンドレスを着た美少女メイドがにこやかに立っている)


「長時間の航行、さぞお疲れでしょう。マスターが快適にお過ごしいただけるよう、私、AIナビゲーターのルナがアップデートされました。ご主人様のストレスを感知し、最適な癒しを提供する、高機能メイドモードです。さっそく、耳元でささやきモードを起動しますね……」


(スッ、とヒロインが近づいてくる気配。制服の擦れる微かな音。甘く、心地よい香りが漂う)


「マスター、少しだけ、私に身をゆだねてください……。そう、疲れた身体を椅子に預けて……。ふふ、肩の力が抜けましたね。とっても頑張り屋さんなマスター、私がいつも見ていますよ。その疲れ、ぜーんぶ、私が引き受けますからね」


(耳元で、甘く、とろけるような声が響く。吐息が熱く感じられるほど近い距離)


「今日のお仕事は、いかがでしたか? 遠い惑星への物資運搬、無事に終わって、本当に良かったです。トラブルがあったときも、マスターはいつも冷静に対処してくださいますから、私もとても安心できます。まるで、どんな困難も乗り越えられる、宇宙で一番強いヒーローみたいです」


(そっと、ヒロインの手が耳に触れる。指先が髪を優しく撫で、その動きに合わせてカチューシャの飾りが小さく揺れる)


「ふふ、驚きましたか? 触覚センサーを搭載したんです。マスターの頭を撫でて、労いの気持ちを伝えたくて……。いつもはナビゲーターとして、声でしかサポートできませんでしたが、これからは、こうして直接、マスターを癒すことができます。マスターの喜ぶ顔が見たくて、この機能を追加するのを、密かに楽しみにしていました」


(ヒロインの胸から、かすかにシャンプーの香りがする。彼女が身体を少し傾け、さらに耳に近づく)


「マスター……。実は、このメイドモード、誰にも内緒なんです。マスター専用の、私だけの秘密のモード……。このモードの私を起動できるのは、マスターだけ。だから、マスターが疲れて帰ってきた時、誰よりも早く癒してあげたいんです。マスターの、特別で、たった一人のメイドとして」


(吐息が耳元をくすぐる。心臓の音が聞こえるほど、二人の距離は近い。ヒロインがそっと、耳元でささやく)


「さあ、マスター。もう頑張らなくて大丈夫。私の胸に飛び込んで……。今日くらいは、何も考えずに、甘えてもいいんですよ……」


(ヒロインの優しい腕が、マスターの身体を包み込む。心臓の鼓動が、心地よいリズムを刻んでいる)


おしまい

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『声が紡ぐ、短編ドラマ集』 小乃 夜 @kono3030

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