概要
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- ★★★ Excellent!!!読んだあと、なんか黙っちゃった
ある種の「若さ」の実感が、自己欺瞞も皮肉も無理なく抱えたまま、呼吸をしているように感じられる。学校、アート、恋愛、抗い、すべてが同じ平面に置かれたまま言葉にされており、その雑多さが逆に誠実だとも思える。形式上は短歌でありながら、どこかZINE的というか、落書きのような率直さをもっていて、それが読む側の油断を軽く裏切る瞬間もちらほら。
比喩や構造の技巧性に頼るというより、むしろ無防備な視線と語り口で、読み手の内部にじわじわ染み込んでくる感触。SONYのガラケーが壊れる描写や、金髪を反旗と呼ぶくだりなど、ユーモアと諦観が分かちがたく結びついている。そうしたひとつひとつのフレーズが、ただの「青春」…続きを読む