軽快に楽しめる作品です。でも、突き詰めて考えると、その裏には「とても学術的なテーマ」が眠っているのかも、という気がしない……でもない。
主人公である京香は、Gカップの「けしからん胸」の持ち主。そんな彼女が「ひなまつり」を機に里帰りをする。
しかし、現地の事情をよく理解していなかった彼女は、外に自分の下着を干してしまうという「けしからんミス」を犯してしまう。
結果、下着はどこかの誰かの欲望を刺激してしまい、帰らぬものとなってしまった……。
けしからん! 実にけしからん!!
でも、この出来事に関しては、その奥にある深遠な「何か」を読み取ることも可能なのかもしれない。
よく、民俗学的な「迷信」として語り継がれる話があります。
「服を裏返しに着るとキツネに取り憑かれる」、「夜に口笛を吹くと蛇がやってくる」などなど。そのように、「とある行動」をとることで「魔」を呼び込んでしまう法則が、この世には存在する。
彼女が取った「軒下にブラジャーを干してしまう」という行為もまた、「魔」を呼び込む行為だったのかもしれない。
彼女が無意識にそうした行動を取ったことにより、一人の人間の心の中に「魔」が芽生えた。
本作で起こった出来事はそんな法則によって引き起こされた「悲しき事件」だったのかもしれない……。
かつて、「巨乳作家トリオ」と自称していた、フヅキ、ワシズ、オダジマの三人の中で、既に二人は脱落し、それぞれバトルアクションと、ポエジーな女心へと変遷していきましたが、どっこいこの方の信念は燃え尽きていなかった!
現代ドラマのGカップ美女、京香嬢を引っ提げて、再度の登場です! パチパチパチーっ!
推定、トップ100、アンダー75くらいでしょうか。不〇子ちゃん並みのグッドプロポーションを誇りつつ、男っ気のない京香嬢が、自らあずかり知らぬ事情で騒動に巻き込まれていきます。そこには、淡い少年の恋心というかエッチ心というか、そういう素直な欲望にちゃんと温かい目を向けるのが、フヅキ女史の作品のいいところです。
最後は、家族愛で収斂。爽やかな読後感。
けっして、巨乳だけが売りではない(大半はそうだが)、この作品。
このあと、長く続いていきますから、とっかかりとして、ぜひどうぞ!