声の届く場所

夕雲

声の届く場所

「よう。来たぜれい姉ちゃん」


「あー、だいちゃん。暑いのによく来たねー」


「マジで蒸し暑くって仕方ねぇよ。最近40℃とか超えてるとこもあるんだってよ」


「うっそー、本当? どーりで最近お日様が照らしてくる訳だ」


「昔とは全然違うよな」


「大ちゃんがこっちに居た頃はもっと涼しかったもんねぇ」


「……俺が高校のために田舎を出てもう5年か」


「大学ではどうなの?」


「俺、彼女も出来たんだぞ」


「うっそー!? 大ちゃん良かったねぇー! 私と結婚するーって言って聞かなかったのにね」


「玲姉ちゃんと結婚するって言ってた頃、いとこでは結婚出来ないと思いこんで大泣きしてたよな」


「あったあった。勘違いがなければ結婚できてたかもね」


「……そっちはどんな感じだ? 元気でやってるか?」


「んーボチボチって感じ。大ちゃんこそどう?」


「俺の方は大学の部活で県大会優勝まで行ったよ」


「わー! 凄いじゃん!」


「優勝の瞬間……玲姉ちゃんにも見て欲しかったよ」


「見に行けなくてごめんねぇ……」


「来年はもっといい報告ができるように頑張るからよ。見守ってくれよな」


「おー、待ってるからね。頑張れ全国大会優勝だ!」


「……にしても、4年か……」


「だっけ? もうそんなに経ったんだ」


「月日が経つのは早いもんだよな」


「本当にねー。私は変化がないから分かりずらいよ」


「もう玲姉ちゃんの歳も追い越しちまったよ」


「大ちゃんが大きくなるわけだ。大ちゃんだけにってね!」


「…………んじゃまた来るわ」


「はいはーい。私はいつまでも此処にいるからね。いつでもおいで。ずっと話を聞いてあげるから」


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