【暗号短歌3】暗号解読

 さてさて、皆さぁん、暗号短歌、解けましたでしょうか(笑)


 泣いちゃダメ お祭りの貧 綿菓子を 二人で食べる いそがしりの里


 泣いちゃダメ

 お祭りの貧(ひん)

 綿菓子を

 二人で食べる

 いそがしりの里


 暗号に関する問題は二つでした。


(問題1)5文字のスタキュレー暗号です。隠された言葉は何でしょうか? 『ちゃ』は1文字。短歌に空欄はありません。


(問題2)『いそがしり』という妖怪は、アホバカcopilotの説明にあるように・・江戸時代の絵巻『百鬼夜行絵巻』に登場しますが、絵巻には名前と姿のみが描かれており、詳細な解説はありません。では、短歌の『いそがしりの里』とは、一体どこなのでしょうか? 暗号です。


 では、暗号を解いていきましょう。


(問題1)スタキュレー暗号


 短歌をひらがなで書くと・・


 ないチャだめおまつりのひんわたがしをふたりでたべるいそがしりのさと


 57578で・・全部で32文字ですね。5文字のスタキュレー暗号ですから、6文字が7文字の区分ごとに暗号の文字があります。


 では、いつものようにやってみましょう。


(6文字の区分)

ないチャだめお

まつりのひん

わたがしをふ

たりでたべる

いそがしりの

さと


(7文字の区分)

ないチャだめおま

つりのひんわた

がしをふたりで

たべるいそがし

りのさと


 7文字の区分の1列目に「なつがたり」という言葉が隠されていました。カクヨム短歌賞【ナツガタリ'25】の「ナツガタリ」でしたぁ♪


 実はまだあるんですぅ・・


 6文字区分の3列目・・


 チャりがで


 和歌の場合、傍点の「が」の濁点は気にしませんので・・


 チャりがで・・チャりがで・・つまり・・チャリ(自転車)がでか!


 さらに、7文字区分の3列目・・


 チャのをるさ


 「を」は「お」と置き換えられますので・・


 チャのをるさ・・チャのおるさ・・茶の折るさ


 ここで、「茶を折る」とは、「茶を仕上げること」です(お茶の用語辞典 https://www.zkuwabara.com/yougot.html)。


 「茶の折る」と「茶を折る」は、助詞の用法が違いますが(詳しくは末尾に)・・意味はほぼ同じですので・・


 チャのをるさ・・チャのおるさ・・茶の折るさ・・茶を仕上げること・・になります。


 6文字区分の5列目の「おんふるの」も意味をこじつけられそうですが・・やめておきましょう(笑)💦


 つまり、5文字のスタキュレー暗号は・・


 7文字区分の1列目・・なつがたり

 6文字区分の3列目・・チャリ(自転車)がでか

 7文字区分の3列目・・茶の折る(茶を仕上げる)


・・という3つがありました。


 これらのどれを挙げていただいても正解ですよ。えっ、3つ全部を正解しないといけないのかって・・ノン、ノン! 学校の試験じゃないんですから(笑)💦


 では、問題2です。


(問題2)『いそがしり』


 これ、実は・・『いそがしり』が分置式の暗号になっているんです。


 分置式の暗号については、ボクの前作 でお話しました。以下です。


『【カクヨム短歌塾】お題その2:【暗号短歌】夏の夢 つながり砕けて ガラス玉 誰(たれ)の名呼ばん 離愁の朝に』

https://kakuyomu.jp/works/16818792438067860808/episodes/16818792438159310107


 この中で、ボクは本文中に参考図書を引用しました。その引用を以下に、もう一度示しますね。


========

 わが国では、紀貫之の例にもあるように、平安朝前期には和歌の技法の一つに加えられ、折句おりくと呼ばれた。なお、各句の頭に分置するものをかむり、末尾におくものをくつといい、両者を同時に用いたものをくつかむりという。また、後にこの遊戯的な手法を連歌や俳句にとりいれたものがふしものである。たとえば、藤原定家ていか(一一六二~一二四一、鎌倉前期の歌人)がよんだ連歌に、


 むすぶ契のさきの世も憂し 夕顔の花なき宿の露の世に


というのがあるが、前の短句のちぎりには、三字中略という手法で塵(ちり)が、後の長句の夕顔(ゆふかほ)には、四字上下略という手法で鱶(ふか)がよみ込まれている。


「暗号大全 原理とその世界」 長田順行著 講談社学術文庫 P61-62

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 で、この中にあるという手法にならって、『いそがしり』をで読むと・・『そがし』が読み込まれていることが分かります。『そがし』は、日本史に出てくる有名な『蘇我氏』ですよね。


 つまり、『いそがしりの里』は、『蘇我氏の里』だったんです。


 では、アホバカcopilotに聞いてみましょう。


Q:『蘇我氏の里』とはどこですか?


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アホバカcopilot

「蘇我氏の里」とは、古代日本の有力豪族・蘇我氏が拠点とした奈良県飛鳥地方を指します。特に奈良県高市郡明日香村や橿原市曾我町周辺がその中心とされ、飛鳥時代の政治・文化の舞台となった重要な場所です。


🏯 蘇我氏の里の歴史的背景

- 蘇我氏とは:古墳時代から飛鳥時代にかけて活躍した有力豪族。仏教の受容や政治改革に深く関与し、蘇我稲目・馬子・蝦夷・入鹿などが著名。

- 本拠地:奈良県橿原市曾我町周辺が「蘇我里」とされ、宗我坐宗我都比古神社が氏神と推定されています。

- 地名の由来:『日本書紀』や『古事記』などに「蘇我」「宗賀」「宗我」などの表記が見られ、蘇我氏の影響力を物語っています。


🗿 見どころ:蘇我入鹿首塚

- 場所:奈良県高市郡明日香村飛鳥682

- 概要:乙巳の変(645年)で暗殺された蘇我入鹿の首が埋められたとされる塚。蘇我氏の終焉を象徴する史跡です。

- 特徴:24時間見学可能。静かな田園風景の中にあり、歴史ロマンを感じさせる場所です。

- 詳しくは奈良観光公式サイトをご覧ください。


蘇我氏の里は、古代日本の政治・宗教・文化の交差点。歴史と文化に興味を持つ方には、現地を訪れてその空気を感じるのもおすすめです。もし創作や詩に取り入れたいなら、蘇我入鹿の悲劇や仏教導入の葛藤など、ドラマ性のある素材が豊富ですよ。続きを掘り下げてみましょうか?

********


 つまり、『いそがしりの里』とは・・『蘇我氏の里』・・つまりぃ、奈良県の飛鳥地方のことでしたぁ。飛鳥地方、いいところですよねえ・・


 蘇我氏の里については、奈良県橿原市の以下サイトが詳しいですよ。お時間ある人は、ぜひのぞいてみて下さい。


 「日本国はじまりの地 橿原市観光情報サイト 蘇我氏ゆかりの地を巡る」

 https://kashihara-kanko.or.jp/course/detail.php?mcid=7


 さてさて、一連の暗号短歌、いかがでしたかぁ?


 暗号短歌って、まだいろいろあるようなんですが・・


 定期的に毎日連載するのは・・一旦ここで終わりにしたいと思いますぅ💦


 「もう、ネタがないんだ」って声が聞こえますが・・無視しましょう(笑)💦


 あとは不定期で、暗号短歌を作ってご紹介していきますよぉ♪


 ここまで読んでいただいて、皆さん、本当にありがとうございましたぁ~♪


 <(_ _)><(_ _)><(_ _)>



(注記)「茶の折る」と「茶を折る」


 GOO辞書によれば・・


 を[格助]:名詞、名詞に準じる語に付く。動作・作用の目標・対象を表す。「家―建てる」「寒いの―がまんする」「水―飲みたい」


 の[格助]:連体修飾格として諸種の関係を表す。対象を表す。…に対する。「反乱軍―鎮圧に成功する」


 たとえば、以下はほぼ同じ意味になります。


 「写真を削除」写真は削除の目的語です。


 「写真の削除」削除の対象が写真であることを表します。


 ボク、国語学者ではないので・・違ってたら、ごめんなさいですよぉ(笑)💦


 でも、言葉遊びですから・・堅苦しいことは、言いっこなしにしましょうよ(笑)💦

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【カクヨム短歌塾】お題その3:【暗号短歌】「思考と情景を組み合わせよう」 永嶋良一 @azuki-takuan

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