暗号解読編

 【カクヨム短歌塾】お題その2「思考を歌にしてみよう」・・

 カクヨム短歌賞【ナツガタリ'25】・・

 が開催されていますね。


 で、ボクは先日、この企画に合わせて・・以下の歌を詠みました💦


 夏の夢 つながり砕けて ガラス玉 誰(たれ)の名呼ばん 離愁の朝に


 皆しゃん、この歌、暗号になっていることに気が付きましたかぁ?


 えっ、どんな暗号かって?


 それはですね、57577の各句の冒頭の文字を抽出してみてください。


 こうなりますね。


 な・・夏の夢

 つ・・つながり砕けて

 が・・ガラス玉

 た・・誰(たれ)の名呼ばん

 り・・離愁の朝に


 つまりぃ、【ナツガタリ'25】の『なつがたり』という文字が隠されていたというわけです💦


 以下、次の図書を参考にしていますよぉ。


 参考図書:「暗号大全 原理とその世界」 長田順行著 講談社学術文庫 P59-62


 こういうのって、昔の有名な和歌でもあるようです。 


 例えば、次は『古今集』(巻十)にある紀貫之きのつらゆき(868?-945?)の歌です。


 小倉山 峯立ち鳴らし なく鹿の へにけむ秋を しる人ぞなき


 これも57577の最初の文字を拾うと・・をみなへし(女郎花)になるわけです。


 こういうのを・・参考図書によると、『分置式』と呼ぶそうです。つまり、暗号として伝える文を、和歌の中にけていてあるというわけですね。


 参考図書には、『分置式』の暗号について、以下のように解説されていますので(P61-62)、ここに引用してみましょう。


========

 わが国では、紀貫之の例にもあるように、平安朝前期には和歌の技法の一つに加えられ、折句おりくと呼ばれた。なお、各句の頭に分置するものをかむり、末尾におくものをくつといい、両者を同時に用いたものをくつかむりという。また、後にこの遊戯的な手法を連歌や俳句にとりいれたものがふしものである。たとえば、藤原定家ていか(一一六二~一二四一、鎌倉前期の歌人)がよんだ連歌に、


 むすぶ契のさきの世も憂し 夕顔の花なき宿の露の世に


というのがあるが、前の短句のちぎりには、三字中略という手法で塵(ちり)が、後の長句の夕顔(ゆふかほ)には、四字上下略という手法で鱶(ふか)がよみ込まれている。


「暗号大全 原理とその世界」 長田順行著 講談社学術文庫 P61-62

========


 これらは、暗号というより、和歌の技法の一つになっているんですね。でも、なかなか難しいですぅ💦 ボクのようなボンクラ頭では・・とてもとても、紀貫之のようないい和歌ができまっしぇん💦


 しかし、この分置式の暗号で和歌を作るって楽しいですね♪


 さてさて、皆さんも分置式の暗号で和歌を作ってみませんか?

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【カクヨム短歌塾】お題その2:【暗号短歌】夏の夢 つながり砕けて ガラス玉 誰(たれ)の名呼ばん 離愁の朝に 永嶋良一 @azuki-takuan

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