概要
命と引き換えに踊る、百年の契約
百年に一度、呪われた王国ヴェルミリオで開かれる「仮面舞踏の夜」。その宴に招かれた者は、華やかな宮殿で一夜限りの舞踏を捧げる代わりに、どんな願いも叶えられるという——ただし、代償は“仮面の主”が選ぶ。落ちぶれた若き元貴族レオンは、余命わずかな妹を救うため、招待状の封を切り舞踏会へと向かう。血と宝石の輝き、甘美な旋律、そして狂気の契約が交錯する夜。次々と願いを叶えては破滅へと導かれる参加者たちの姿を目にしながらも、レオンは自らの命を差し出す覚悟で仮面の主と最後の舞を踊る。やがて夜は明け、妹は奇跡のように病を癒して目を覚ます。しかし、その瞳は深い琥珀色に変わり、声から温もりが消えていた——救われたのは肉体だけであり、魂はすでに仮面の主のものだったのだ。退廃と皮肉が絡み合う、命と願いのダークファンタジー。
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