夏休み特別企画 みんなで即身仏になろう!

隅田 天美

やあ、アヌビスお兄さんだよ! (夏休み返上して!)

 やあ、アヌビスお兄さんだよ!


 今日は本来、休みで家で『一平ちゃん 夜店の焼きそば』をつまみにビールを飲みつつ高校野球を見ていたかったんだけど、本来、出演するはずだった、某山の某お坊さんが『俺、無理! お前、やれ!』ってLINEしてきたからしょうがないから出てきたよ。


 本来なら、日本のお坊さんがやるべきなんだけど、しょうがないからお兄さんをやるよ。



 まずは、『即身仏』と他のミイラの違いは、自らの意思でミイラになる…… このことを『入定にゅうてい』と言うよ。 入定を究極の修行段階として捉えている…… ことだ。


 そのため、入定を決めると三年から五年の期間で食事をご飯などから木の皮や漆などに切り替えることで内臓を腐敗しないようにし、コーティングする。


 水分なども抜いていく。


 同時に山道などを上り下りすることで筋肉を糖に変え、最終的には断食をするよ。


 さて、いよいよ入定をするよ。


 この場合、三つのパターンがある。


 まずは、地上で座禅(瞑想)したままの状態。

 有名なのは、今回の依頼を断った別のお兄さんだけど、これに触れると宗教やら絡むから濁すよ。


 それから、『土中入定』という生きたまま木の箱に入れて空気穴以外木の板で閉じて、成仏するで念仏を唱え鈴の音を鳴らし続けるというものがあるんだ。

 これは、手塚治虫の『火の鳥(鳳凰編)』でも出てくるよ。


 最後に簡単な船に屋根付きの小屋を建てて海で入定するというのがあるんだ。

 ただ、これはかなり運に左右される。

 壮大に出向しても、海流などで元の場所に戻ってきて、物凄く恥ずかしい思いをすることがあるらしいよ。


 最後に、これは日本ではないけど中国の仏像をCTスキャンしたら内部に人が入定していることがニュースになったのは知っているよね?


 

 これらの目的は宗派などに変わるけど、基本的には『宇宙との一体化』『民衆を救うため』など様々あるけど、僕たちと同じ『永遠の命』と言うのもあるんだ。


 でも、実際は虫食いや鼠に食われたり維持管理が難しいのが現状なんだ。


 だから、まずは、お近くのお寺にレッツゴー!
















 宗教上『永遠の命』と言っても、生物学的には死亡扱いなので『即身仏』は自殺ほう助や死体遺棄の刑事罪に問われます。


 間違っても「よぉし、俺も即身仏になろう!」なんて思わないでください。


 当方は一切関知しません。

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