無口な私と笑顔な君

@NamelessPerson

第1話「認識」

スポットライトとは、舞台の役者たちに注がれる注目の光。スポットライトに当たればみんなが主役になれる。しかし、スポットライトを嫌い。あくまでも第三者として振る舞う人間がいる。


_______________


長く綺麗な黒髪をたなびかせて廊下を歩く女子生徒。名前は如月亜紀。教室に入るといつものメンバーたちが教室の後ろでバカをやっている。

「・・・」

亜紀は窓際の自分の席に座る。

「ねぇねぇ!そろそろテストだし勉強会しない!?」

いつメンの話に耳を傾けながら窓の外を眺める。うざったいほどの快晴。太陽の光が眩しくて目を細める。


___________


すべての授業が終わった放課後。亜紀はいつもテスト前になると図書室で1人で勉強をしている。放課後の図書室には誰もおらずゆっくりできるため亜紀は好んでよく来ている。でも今日は1人じゃなかった。

「如月さん・・・」

前髪を分けて制服を着崩した長身の男子生徒。クラスの人気者でよくモテる。

「だっけ?君もここにいたんだね」

「・・・アンタ誰」

「ああ。同じクラスの森川だよ!森川優馬!知らない?俺人気者何だけど」

そう言って笑う。だが少し引きつった笑いをする。

「まぁ、俺も如月さんのこと名前もうろ覚えだけど」

そう言って優馬は亜紀の一つ空けた席に座る。

「如月さんっていつもここにいんの?楽しい?」

(ズカズカ聞いてくるのは陽キャの決まった性質なのか・・・?)

そんなことを心のなかで思いながらも勉強をしながら答える。

「いつもじゃないし。楽しくはない。でも落ち着くのは確か。」

「へぇ〜」

亜紀は黙々と勉強をしている。優馬は肘をついてその様子を見ている。

「・・・なに?」

優馬の視線にイヤイヤしてぶっきらぼうに聞く。

「いや、なんでもないよ」

またへらへら笑う。そんな優馬をウザそうな目で見る亜紀。

「あれ?気分害した?ごめんごめん。俺いつもこんなだからさ〜」

またへらへら笑う。亜紀はため息を吐いて勉強に戻る。

「・・・」

アクションをしない亜紀を気まずく感じた優馬は自分を勉強を始める。

「__間違ってるよ」

何十分かして亜紀が口を開く。優馬は驚いて、でも笑顔でいう。

「何が?」

「そこの問題。やり方違うし。答えも間違ってる。」

「えっ、まじ!?俺馬鹿だからさ〜」

頭を掻いて自虐ネタにして笑う。亜紀はそんな優馬を一瞬だけ見て勉強に視線を戻す。

「やめなよ、その笑顔」

亜紀が言うと優馬の動きが止まる。

「えっ、俺の笑顔嫌い?」

少し笑顔を引きつらせながら言う。

「・・・今ここには私しかいない。「人気者の陽キャ」ってレッテルを貼る人間はいない。なら少しは力抜けば」

その亜紀の言葉に優馬は少し体が軽くなる。そして息を一つ吐く。

「・・・よく見てるんだね」

「・・・周りの人がみなさすぎなだけでしょ」

「そっか・・・」

「無理するのは勝手だけど自分見失ったら終わりだよ」

「・・・」

「それじゃあ私はこれで。」

亜紀は荷物を片してリュックを背負って出ていった。図書室には静寂が流れるだけだった・・・



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