概要
甘くも酸っぱくもない。 ほろ苦い青春の余香に浸る大人たちの質素な晩餐会
引きこもりのどん底人生から、親戚のつてで海外の大手IT企業に就職した桜田陽平。順風満帆な生活の裏で、心はどこか満たされないままだった。そんなある日、かつて想いを寄せていた幼馴染の夢崎香織と十数年ぶりに再会する。再会の夜、小さな酒場でグラスを傾けながら語り合う2人。どこか歪な懐かしさに笑い合ったのも束の間、やがて会話は途切れがちになり、沈黙がゆっくりと降りてくる。そんな中、ふと陽平は語り出す。海外にて耳にした「風切り羽を切られた鷹」の話を。