部屋の肌（ショートショート）

大学卒業後、二十年間、自室に引きこもる女。
外界から閉ざされた彼女の、停滞した時間は、やがて、部屋そのものと、静かに、しかし、確実に、融合を始める。壁は彼女を養い、床は彼女の心臓と脈打ち、部屋は、彼女の、新しい母胎となる。

これは、極限の孤独が生み出した、美しくも悍ましい「変態」の物語です。
閉ざされた空間で繰り広げられる、静謐なホラー。
読み終えた後、あなたは、自分の部屋の壁の染みが、何か、別のものに見えてくるかもしれません。