問題があって当たり前ぢゃないか。文豪だもの(by.MITSUO)
- ★★★ Excellent!!!
文豪たちのシミュレート具合を見て、ひたすら笑いっぱなしでした。
未来の世界。「AIが小説を書く」ということが当たり前になった世界。
そこで、「文豪の精神までがAIで完全再現される」ということまで実現してしまう。
KAWABATAやDAZAIなどの人格を持ったAIが闊歩するようになるが、どうもこの社会、完全にディストピアと化している。
芥川賞の選考委員になったKAWABATAがDAZAIの小説を酷評したことから事態は混迷を深めることに。
「文豪あるある」と思わせる様々な小ネタの数々がとにかく面白かったです。
「そう言えば太宰って色々ヤバい人だったらしいよな」とか、「その人物を再現したら、そりゃそうなるよ……」とか、ニヤニヤが止まりません。
そして、ラストのオチが素晴らしい。「その人はそういうこと言いそう」という、ファンもそうでない人も嬉しくなってしまうラストが待っています。