パスタを多めに茹でてしまう現象についての考察
二八 鯉市(にはち りいち)
お察しの通り、たらスパです。
お集まりの皆さん、ありがとう。
皆さんの歓声、声援、拍手。全て聞こえています。ありがとう。
分かります。
さぞ、興奮冷めやらない事だと思う。
「えっ、あのパスタを茹で過ぎちゃう現象について考察するの!?」
と、さぞ沸き立っていることだろう。
私自身、このテーマを取り上げるということに胸が湧き踊っている。
だが、ここは簡潔にいこう。
「何故、パスタを茹でようと思った時に、なんか思ってた1.2倍ぐらいの量を茹でてしまうのか?」
に対しての私の結論は。
「いやなんか……分からん……なんかいけると思ったから……」
そうなのだ。
お集まりの皆さんには申し訳ない。
まだ、この「思ってた1.2倍の量を茹でちゃうのは何故?」という宇宙の謎は、明確には解き明かされていないのだ。
だが。
このような宇宙の謎に対して、単なる結果を求めるのは無粋ではなかろうか。
「考察の過程」
そういうものに、ロマンを見出していく。そういう人類でありたいと私は思う。
では考察の過程について考えていこう。
『茹でる前』
1.パスタを出してくる。
2.「まぁこんなもんか」と、湯に入れる。
3.出来上がる。
『結果』
「いやまたなんか1.2倍ぐらい茹でてんだよな……まぁ……いけると思ったからか……」
考察の過程は以上だ。
ではどこに問題があったのか考えてみよう。
恐らく。
目分量である。
今、お集まりの皆さんが思われたことは、以下の3つのような疑問だろう。
Q1.結束タイプにしたらよくない?
A.結束タイプよりバラバラの方がお得なんだもの。
Q2.蓋で計測できるパスタ入れあるよ?
A.今の保存容器で事足りてんだもの。
そして3つ目の疑問。
「え、じゃあちょっと少なめにしたらよくない?」
だが。
そうなると、ここで選択肢が発生するのだ。
「思ってたよりちょっと少なめのパスタ」と、「思ってたよりちょっと多めのパスタ」
そう。
少な目だった場合、お腹がすくのである。
もしかしたら勤勉な方の中には、
「え、でもさ。サラダとかをちょい足しで作ったらお腹も膨らむんじゃない?」
と思う方もいるかもしれないが。
「もうパスタを作るんだい!」
という意思で固められてしまうタイプの人間には、茹で上がったパスタに味をつけた時点で、その日の全てのエネルギーは使われているのだ。
無いMPは袖を振っても出ない。
「行動ポイント」の扱いに関しては、各種ソシャゲの議論で熱が交わされているところであるが、個人的にはこの現実にも「行動ポイント」はあると思う。
そして私の場合は。
「パスタを作る」だけで、1億行動ポイントを消費しているのである。
サラダを作るにあたって消費するポイントは5000万ポイントである。
まあ確かに、「今日はサラダも作っちまいますか!」というようなウキウキの日はある。だが、日常の行動ポイントは基本的に上振れより下振れを意識した方が気楽に過ごせる、というのは私の持論である。
であるならば。
一撃必殺でパスタのみ作りたいという日もある。
「パスタ作るぞ! 作った! 食べる!」
で、料理を終わらせたい日もあるのだ。
それならば、
「まぁ少な目より多めのがいいかァ」
そう思って私は今日も、パスタの分量をちょっと多めに茹でてしまうのだろう。
なるほど、考察をなぞっていたら、意外にも結果が見えた。
つまり。
料理における消費行動ポイントが1億ポイント必要で、「パスタを作るなら一撃必殺で作りたいから、ちょい少な目でお腹がすくよりは多めに作っちゃう」という行動が。
「なんかパスタを1.2倍多めに茹でちゃうんだよなぁ」
の理由であることが分かった。
また一つ、宇宙の真理を解明できたのである。
ではお集まりの皆さん、謎が解決できたところでお腹が空いたと思う。謎に心躍らせる夢の時間は終わり、現実に向かう時が来た。
暑い季節の到来である。各々、ご自愛してほしい。つまるところ、自分の行動消費ポイントに無理をしない食生活を送ってほしい。
では私もこの辺りで筆を置こう。
今日の夕飯はもちろん。
レトルトカレーである。
<終>
パスタを多めに茹でてしまう現象についての考察 二八 鯉市(にはち りいち) @mentanpin-ippatutsumo
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