中学〜成人までの一組の男女の恋愛物語
恋人未満、でも実際のところ二人の間には単なる恋人以上の絆があるように感じてなりません。
それがとてつもなく尊いです。
二人にとってこれは長い春というより、永遠に終わらない春なんだろうなあ、と思いました。
夜更けの高円寺を二人で歩くシーンなど、どこか懐かしさを思わせるノスタルジックな描写がとても好きです。
二人の伝えられなかった想いや後悔みたいなものがひしひしと伝わってきて、でも最後はなんとなく温かくなるラストで良かったです。
これからも二人が悩みながらも自分たちらしく、幸せに生きていってくれるといいなあ。
とても素敵な青春の物語でした。
『レゾナントノイズ』は、言葉にならない思いを抱えながら日々を生きる中学生の「わたし」が、音楽を通じて少しずつ心をほどいていく物語です。日常の雑音のなかで、ふと耳に届く微かな「ノイズ」。そのかすかな揺らぎに共鳴する少女の感受性が、とても繊細に描かれていて、読むほどに胸が静かに締めつけられました。
なかでも、七理くんが無言で渡すMDの場面。その優しさと誠実さが痛いほど伝わってきて、思わず目頭が熱くなりました。「好き」を誰かに差し出すことの、勇気とあたたかさ。そんな大切なことを、音楽とともに思い出させてくれる物語です。
音楽を愛する方はもちろん、かつて思春期の寂しさや痛みに心を寄せたことのあるすべての人へ。きっと、あなたの中の「ノイズ」にも、何かが共鳴するはずです。