第17話 リヴァイアサン攻略プラン
「ロナン。前払いだ」
「おお! ありがとうございます!」
オレは『
大きさ的には頭ほどのサイズであるが、ロナンの荷物入れにはスペースがある様で丁寧に中に収める。
「まぁ、分かってると思うが」
「勿論でございます。こことの取引は私個人と致しまして、とても利益を生むと判断したしました。他に情報を流すなど考えておりません」
ロナンは使える武器を確認している天那をチラっと見る。約束を反故にするリスクは高いと判断しての事だろう。
力による押さえつけは勘違いの反感を買うのだがロナンは天那の事を知ってる様子なのでそれがかなりの抑制力になっているようだ。
「それにマーリン様の身内で“K”を持つのでありましたら、個人的には友好的な関係を築きたいのです」
オレの素性もバレてるか。まぁ師匠が必要なモノを調達する時は『流通商人』を良く使ってたからな。下手な摩擦は御免と言うところか。
「早期にお届け出来る物は先にお届け致します」
「歩きじゃ往復だけで時間がかかるだろ?」
「馬車1台に収まる程度でありましたら、ネットワークを経由して三日でお届け出来るのです。無論、業者は信頼できる者を起用致します」
「それなら『硫黄』と二人の服は先に頼む」
「かりこまりました」
ロナンは、ペコリ、と頭を下げて基地を去って行った。サンダーは手を振って、エクエルは返すようにペコリとお辞儀をしてロナンを見送る。天那は自分の作業に集中していた。
「洋服、楽しみだね」
「うん」
「今更だが、天那は服は良かったのか?」
「俺は軍服で足りてる」
天那は武器を持ち上げて刃の状態を確認しながら答えた。
「司令官さん、司令官さん」
「どうした?」
サンダーが耳打ちしたげだったので身を屈める。
「天那の服、あたし達が頼んでおいた」(小声)
「お、本当か?」
「天那さん……いつもお胸が苦しそうなのです。だからゆったりできる服を」
「そうか、優しいなお前たちは」
「おい、聞こえてんぞ」
「ハハハ。着てやれよ? 二人のご厚意だ」
「…………」
ハハハ。
「それで、次は何をするの?」
「とりあえず、『
『
「天那も手伝ってくれよ」
「…………」
「お前が壊した穴もあるだろー」
「……ちっ。汚ぇのは運ばねぇからな」
それだけでも大助かりだ。
「そんでもって大きな目的は説明した通り『
「……勝てるの? あんなに大きい魔物に」
「……あんな遠くからここまで攻撃してくるです……」
「勝てるんだろ? ハンニバル」
サンダーとエクエルの不安を一気に取り払う様に天那が告げる。
「ハハハ、当然だ。あんなのが沖合に居続けられると色々と困るからな。まず、『
オレは人差し指を立てる。
「1つ目、船を作る」
「船作れるの?」
「司令官様は職人さんなのです?」
「ハハハ。まぁ、イカダくらいだな。協力してくれよ?」
「もっちろん!」
「が、頑張るのです!」
「協力してくれよー」
「聞こえてるから話を進めてろ!」
ハハハ。まぁ、肉体労働は天那に任せる事になるから、製造工程はなるべく簡略化しないとな。
「2つ目、沖合を調べる」
人差し指と中指を立てつつそう宣言すると、二人は硬直した。
「う、海に出るの?」
「『
「ぶっつけ本番で相手のフィールドに踏み込むのは夜道を灯りを持たずに歩く様なものだ。なに、下見はオレと天那で行くからお前らは陸で待っておけばいい」
「……あたしも――」
「……わ、わたし――」
と、無理でも役に立とうとする二人の頭にオレは手を置く。
「無理に慣れないことをしようとするな。お前たちの役割は無くならないからよ」
「……うん」
「……はいなのです」
二人を危険に晒すのは天那も望まない。それに、イザとなれば天那が庇うのはオレ一人で良いしな。
そして、オレは人差し指、中指、薬指の三本を持ち上げて告げる。
「それまでの情報を元に『
とにかく、2つ目を終えなきゃ攻略するプランを完全には詰められん。
「今は健康的な生活をして体力を戻すぞ。とにかく解体だ」
「うん!」
「頑張るのです!」
「とにかく解体――」
「聞こえてるっ
ハハハ。とりあえず、『
人避けの意味で。
三日後――『連合軍』中央戦線……
『オーディーン』による夜間撤退の動きを確認。殿を叩くべく軍隊を展開。『グレンデル』に出動命令。
『グレンデル』隊長ライヘンベルグ、カタリナ、龍那が出撃。『中央第三基地』にて殿――【魔拳神】ガイダルと交戦。
その際に【軍神】マーリンが『オーディーン』軍の紋章を身に着けていたとの事――
以下、追撃戦を生き延びた『グレンデル』隊員の証言を元に記録……
辺境軍師ハンニバル 古朗伍 @furukawa
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