結果だけを見つめて

 私にとって「勝負」に対する価値観は、子どもの頃からずっと変わらず、結果だけを見ています。


 みんな「過程が大事だ」とよく言いますが、自分が出場する勝負なら、努力や頑張りは当たり前のことではないでしょうか。


 だから私は、ずっとそのように勝負を理解してきました。

 過程の中で学ぶこと、過程の中で挫折すること、それは必要不可欠なものです。

 ならば、勝負に限らず、人生のすべてが同じなのだと思います。

 おとぎ話の夢や幻想を取り払えば、私は「結果こそが大事だ」と思っています。私はとても現実的なのです。


 もしかすると、とても功利主義的に聞こえるかもしれません。

 でも知っていますか。「功利主義」の英語は Utilitarianism、日本語では「功利主義」あるいは「効用主義」とも呼ばれる倫理学の理論です。

 最も正しい行為とは、効用(幸福や快楽)を最大化するものであり、Maximum Happiness をもたらし、苦痛を最小化することだとされています。


 私は、この定義を本当に実践できる人はとても格好いいと思っています。


 けれど私の現実は、その「結果」に縛られているわけではありません。

 良い結果も悪い結果も、結局は一つの結果にすぎない。なぜなら人生は続いていくからです。


 昨日、多くの人が「中間選考通過おめでとう」と言ってくれました。

 その気持ちが本当にありがたかった。そう言ってくれる人のほとんどは、一緒に歩んでくれた人たちでした。私はとても感動し、心から感謝しました。


 でも正直な気持ちを言うと、私はこのサイトで毎月コンテストに参加しています。

 だから中間選考にあまり重きを置いていないのです。それに、私は中間選考は自分の力ではなく、みんなの力だと思っています。中間選考は、これまで支えてくれた人たちと一緒に得たものであり、私ひとりで成し遂げたことではないのです。


 だからこそ、本当に自分自身で成し遂げたかどうかを示すのは「結果」です。私は一度も「結果」を手にしたことがない。まだ一度も受賞したことがないのです。


 結果を得られなかったという「その結果」が、いくつかの点を明らかにしています。


 ひとつ目に、それは私の実力がまだ足りず、評価されるまでに至っていないことを意味しています。

 この点の解決方法はとても単純で、ただひたすら努力を続けるしかありません。


 ふたつ目に、その結果は同時に、私の小説があまりに「自分本位」で偏っていて、大衆の好みに合っていないことを示しています。

 でも私は市場のために自分を犠牲にするつもりはありません。だから葛藤し、迷い、さまよってきました。


 けれどある日、少し悔しさを抱えながらも、私は自分にこう言い聞かせました。

「家族も私自身も、小説でお金を稼ぐことは望んでいない。しかも学業も終えて、まだ若い。時間は十分にある。ならば努力を続けていけばいい」と。


 でも、この言葉はよく考えるととても恐ろしいのです。

 人が「曖昧な夢」を叶えるのに、いったいどれほどの時間が必要なのでしょうか。


 私はこの問いについて考えました。小説を書いている多くの人は、5年、10年かけてようやくデビューしています。

 でも私は、自分の良心に背くことはできません。だから私の答えは「2年」です。


 そしてその2年という答えに、私は胸を張ることができます。

 なぜなら、その2年間で私は他人の5年分の努力を必ず注ぎ込むと信じているからです。

 その努力が結果に直結するとは限らないけれど。


 この10か月間、私は日々欠かさず書き続けてきました。病気の日以外、休んだことはありません。

 それは自分が決めたことだから。努力を注ぐのは当然のことで、疲れさえ甘んじて受け入れてきました。

 小説のために、取材に出かけ、写真を撮り、ペットを物語に登場させ、絵を描き始め、音楽の作り方まで調べました。

 まるで何でもやっているみたいですが、どれも私が好きでやっていることなのです。

 しかも、それらのせいで執筆の時間や質を削ったことはありません。


 そしてある日、ふと気づいたのです。

「これは小説であり、同時に私の生活でもある。両者は完璧に溶け合っている」と。


 だから、もし全力で走り抜けた2年間で結果が出なかったら、私はもう書かないでしょう。

 そのときはきっと悲しくて悔しいだろうけれど、潔く手放して、自分を見極めることが大切です。

 それでも私は、そのとき胸を張って「やり切った」と言えると信じています。


 さて、再びコンテストの「結果」の話に戻りましょう。

 私は先ほど、結果から2つの反省点を挙げましたが、最後にもうひとつ。

 結果はあくまで「結果」でしかありません。


 ひとつのコンテストが終われば、また次のコンテストがやって来る。

 私は今、毎月書いている小説に全力を注ぎ、書き終えたら手放して次へ進んでいます。

 その小説にはしっかり向き合ったのだから、もう後悔はありません。

 私にとって、最後までたどり着けないものは「良い結果」ではありません。

 ならば「良い結果」を得るまで進み続ければいい。

 私は全力で努力を尽くし、あとは天に委ねます。結果が出なくても、人生は続いていくのです。


 傷つくこともあれば、喜ぶこともある。

 前に進むときもあれば、迷うときもある。

 私はただ、胸を張って生きられる自分を待っているのです。

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