夢と知恵が交わる余白の美しさ、心に静かな風が吹く詩。

透明感あふれる言葉と静かな余韻が美しい詩です。一輪の花「智慧」をモチーフに、夢と知、記憶と未来、理性と直感――さまざまな二項対立を優しくつなぐイメージの広がりに心が癒されます。「風が通りぬ」「虹の霧」「名も持たず」など、柔らかくも鮮やかな自然の描写が、読み手に“無限の広がり”と“どこか懐かしい心地よさ”を与えてくれました。

難しいテーマを扱いながらも、詩情と抽象性のバランスが素晴らしいです。短い言葉の中に、読み手が自由にイメージを羽ばたかせる余地がしっかり残されていることも、この詩の魅力だと思います。何度も読み返したくなる珠玉の作品です。

正直な感想として、詩の持つ「余白」や象徴性は大きな魅力ですが、解釈の幅がかなり広く、僕にはかなり難解・抽象的と感じました。ただ、その“わかりにくさ”も詩の世界ならではの深みなのかも知れません。

言葉選びや句のリズム、余韻は洗練されているように素人ながら思いました。僕が一推しする3つの理由をあげておきます。

・美しい言葉と余韻、詩的象徴に溢れている
・読後の静かな幸福感
・短い中に深い世界観を感じられる

その他のおすすめレビュー

ひまえびさんの他のおすすめレビュー340