やまぶきいろの空

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（175文字）

流れがとてもきめ細やかで、水のように自然と移ろう短歌たちでした。
まるで、そっと掌に注がれた光の粒を見つめているような――
そんな、静かな余韻が心に残ります。

中でも印象に残ったのが、百人一首の一節。

我ならなくに

ここに込められた、あえて言葉にしきらない感情の揺らぎと余白が美しくて……✨
一首のなかに、無言の葛藤がそっと佇んでいるようでした。

そして何より。

やまぶきいろに
街がほどける

染まるでもなければ、色づくでもなく...
「ほどける」
その言葉遣いが本当に、優美で繊細で、柔らかくて、素晴らしくて...‼️
優美な情景が浮かび、心を奪われました。

読後の余韻までも、うっ…続きを読む

静かに胸に染み入る、とても繊細な詩でした。

「我ならなくに」の言い回しが古風で詩情を深めていますね。
モノクロームの世界から、少しずつにじむ色彩の変化がとても美しくて、ラストの 「やまぶきいろに 街がほどける」 の一節が特に心に残りました。

他人との距離感、自分らしさへの戸惑い、それでも少しずつ前へ進もうとする気持ちが柔らかな言葉のなかに丁寧に描かれていて、何度も読み返したくなる作品でした。

素敵な詩をありがとうございます。これからも楽しみにしています🍀。(´▽`ʃ♡ƪ)