タイトル: 受け入れられなかった女
POP MIX
第1話
膝の上で猫がゴロゴロ鳴っている。重くて温かい。夏の陽が窓から注ぎ込み、埃の粒を黄金色に染める。ただの太陽。ただの温もり。ただの人生。五年。心の中の**穴**の代わりに、五年の静寂が広がっている。
その穴は私と共に生まれた。最初は無意識だった——「死ぬ」という理解できないものへの、子供のぼんやりとした恐怖。消失のごっこ遊び:「彼らがどんなに泣くか見てやる、どんなに“大切な私”を失ったか!」。死の最初の、霧のようなリハーサルだ。
そして十七歳で、穴は大きく口を開けた。たった二つの言葉:エイズ。肝炎。人生は終わらなかった——粉々に砕けた。最も強く覚えているのは、私が告げた時の母の目だ。涙ではなく、違う。**恐怖**。鈍く、凍りつくような。その時、穴が全てを飲み込んだ。ただ一つの考え:「死ねば、皆が楽になる」。痛みから、恥から、この内側の黒い虚無から解放されると。二度目の試み——もう意識的な虚無への一歩。でも何かが止めた。届かなかったのか。それとも…「あの世で受け入れられなかった」。まさにそんな感覚だった:私はそれほど罪深く、取るに足らない存在で、死さえも私を拒んだと。あとはただ、生き延びるだけが残った。
穴は満たされることを要求した。麻薬。逃げではない——ゆっくりとした自殺。私は知っていた——死ぬ、と。針で、過剰摂取で、不衛生で。早めようと決めた。麻薬か、刃か——違いなんてある? それはただ、同じ「無」の部屋へ通じる別々のドアに過ぎない。三度目の試み。最も絶望的な。なぜなら、この穴と、毒なしでは存在できないこの不可能さと、**絶対的な孤独**と共に生きること…それは耐えがたかった。私はよそ者に感じられた。必要とされていない。受け入れられていない。誰からも。どこからも。死さえも、私に背を向けているようだった。「あの世で受け入れられなかった」。残ったのはただの失望。二十一歳なのに、九十九歳のようだった。何も楽しくない。決して。意味? 喜び? 空虚な言葉。内側には——穴の中を吹き抜ける、氷のような風だけ。
救いは、予想だにしないところから来た。母の涙からではない(涙は海のようだったのに)、愛する人たちの言葉からでもない(今振り返れば愛は山ほどあったのに——穴が全てを飲み込んだだけだ)。見知らぬ人々から来た。グループ。ナルコティクス・アノニマス。居心地の悪い部屋、知らない顔。なぜ私は残ったのか? **温もりを感じた**から。見返りを求めない気遣い。ただの質問:「調子はどう?」——その答えが本当に大事に思えるような口調で尋ねられた。私は与えるものなど何もなかった——美しさも、お金も、希望もない。ただ痛みと恥だけ。でも彼らはくれた。理解を。私は自分の地獄の中で独りではないと。この病——依存症、絶望、自己破壊——は私の責任ではない、でもそれは私の**責任**だ。「それと仲良くしろ、さもなければそれがお前を殺す」。十二のステップはルールではなく、地獄の迷宮からの地図になった。それは、耐え難い痛みとしてしか感じられなかった、言葉にさえできなかった問いへの答えとなった。
過去は斧で切り刻めない。あの悪夢、あの痛み、あの恥——それは永遠に私の一部だ。でも後悔はない。あの地獄が、静けさの価値を教えてくれた。穴は完全には消えていない。でも私はそれと共に生きることを学んだ。診断とも同じように。それらは主人ではなく、私の同行者だ。私は学んでいる。太陽を見ることを学んでいる。以前、ドラッグに浸っていた時は、冬でも夏でも関係なかった。内側はいつも冬だった。今は——太陽が見える。肌にその温もりを感じる。ただそれだけの理由で。
苦しみは去った。残ったのは人生だ。普通の。二人目の夫と。猫と。子供たちの考えと。仕事と。どうにか手にした卒業証書と。ビジネスと。社会的な外殻。でも一番大切なのは——内側だ。三十歳で初めて、私は**幸せ**を感じた。爆発的なものではなく、静かな。深い満足。ただ、私がここにいること。生きていること。この空気を吸えること、そしてそれが毒ではないこと。
今の私は知っている:穴と一対一で向き合ってはいけないと。心を開く必要があると。解決策を探すと。問題は解決できると信じる必要があると。今日の痛みは——明日にはただの思い出になるかもしれないと。笑い話に? いいえ。ただ——経験したこと、通り過ぎたことに。私が通り過ぎたあの三つの死のように、ただの朝のただの太陽を見ることを学ぶために。今このように。猫がゴロゴロ鳴っている。太陽が輝いている。穴は静まり返っている。そしてこれが——奇跡だ。最も本物の。
タイトル: 受け入れられなかった女 POP MIX @POPMIX
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