可愛いは正義

タイトルに惹かれて可愛い女の子が何かしら頑張っている「可愛い」作品だと思っていましたが、ジャンルの確認を忘れており一気に最後まで呼んだ後に「……やっぱりホラーだったー！」と叫んでしまいました。

文字通り「可愛い」ことが正義であり、この女の子は可愛いことが絶対的に正しい、生まれ持ったものに誇りを持っているのだろうと思います。

……が、途中から違和感。
その自分だけの考え方や勢いで論破する様子が恐ろしく、最後はもう何とも言えないです。

カースト上位？と言う女の子をあり得ないぐらい極端にしたらこうなるのでしょうか。怖いのに一気読みしてしまう作品でした。

『可愛い』才能を授かった主人公のお話です。
序盤は可愛いのですが雲行きが怪しくなると共に、怖さのスピードが加速します。ここまで振り切ったか！ってくらい猛進です。猛スピードでも怖さの先が知りたくて、最後まで乗車しました。

ホラー作品なのでしっかり恐いのですが、久々に純黒の狂気を垣間見たという、恐怖と清々しさが同居しています。

可愛い狂気に興味を持ってしまった方は、ぜひお読みください。

　「自己肯定感」とか、「特権意識」とか、色々な心理について考えたくなるストーリーでした。

　「可愛いは正義」という言葉で、自分の可愛らしさを絶対のものと信じ、「自分は人より優れている」と確信している主人公。

　彼女はきっと生れ落ちてからずっと「可愛い」として周りから褒められ、大切にされてきたのだろう。
　それゆえに、まさに「貴族」のような感覚で、普通の容姿の人々（平民）を、自分と同じ人間だとは思わなくなっている。

　自己肯定感があまりに高くなると、それはもう普通の人間とは異なる「何か」に変わってしまうのかもしれない。自らを他者と同列に置くことはせず、生殺与奪の全ての権利を獲得しているか…続きを読む