第8話:コンテストは諦めようかな……(汗
愚帝として悪名高い劉宏であったが、彼が悪名高いのは別方面であった。というのも、長幼の順を乱した上にそれほど暗愚とも言い難い(と、いうよりは劉協が聡明というのは、いわば曹魏史観であることが多い)にも関わらず劉弁を遠ざけたことからくる悪名がかなり多かった。と、いうのも、劉弁は実際の所暗愚を演じていたという説があり、事実董卓を迎え討った際には兵法書を片手に軍略を論じている姿が見受けられ、撤退の折も自ら弓を取って迎撃をしたという姿が描かれており、結果的に彼の代で後漢は滅亡したものの、故に暗愚として描かれることが多いのではないか、と思われる。
……さて、そんな何進の妹から出た皇帝であるが、早速宮中で大立ち回りをする羽目になり、結果的にそれが劉備達の初陣となるのであった……。
「お姉! 次の敵部隊が向こうから来ます!」
「わかったわ! 何大将軍も手伝って下さい!」
「おうともさ!」
……張譲ら宦官の奇襲によって何進が暗殺されかかったところに、急いで関羽・張飛が何進をつるし上げて脱出させたことによりなし崩しに宮中の市街戦になったわけだが、結果的にこの宮中戦闘によって密かに劉備一行は劉弁陛下を匿って演述の元へ逃亡、袁紹や董卓が洛陽の椅子を取り合う中、早い段階で劉備達は演述の配下である孫堅と合流し、劉弁を隠し玉として、江東へと退くこととなる……。
通称、三国志の前編である南北朝時代の始まりである。
参国史遠戲(まだ仮題) エトーのねこ @H_Eneko
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