静かに始まる物語の中に、胸を打つ衝撃と切なさが詰まっていました。心を通わせる力を持つふたりだからこそ、言葉にできない想いまでもが伝わってしまう。その繊細な心の描写がとても印象的で、ラストにかけて明かされる真実には思わず息をのみました。たったひとつのプレゼントに込められた「想い」と、それがもたらす結末。優しい文章の中に、深い余韻が静かに流れ続ける、美しい短編でした。
謎の電車。不思議なおじいさん。怖そうで怖くない、分かりそうで分からない。けれどおぬしを知っている。短編として完成された傑作です。ぜひご覧あれ。
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