となりのAIは、まだ名前がない

廃れた地方都市。シャッター街の一角にある野菜屋「おぎのや」で働く高校生・カケルは、
見た目が悪いというだけで捨てられる野菜に、いつも心を痛めていた。

そんなある日、使われていなかった倉庫で、壊れかけのAI「Palette（パレット）」を起動してしまう。
何の役にも立たないはずだったAIは、でも――ほんの少しだけ、優しかった。

転校生のマコと共に始まる“AI同好会”。
町の未来、友情、そして恋…それぞれの心が交差するなか、
「正直に生きる」ことの難しさと、AIが持ち得る“心なき優しさ”に触れていく──

これは、プログラムで、やさしさを届けようとした高校生たちの物語。