望まない契約の中で、互いの体温を探してる。

学校では誰からも好かれる優等生、黒崎 凛々子。
でも放課後の彼女は、退屈と虚しさを、身体で埋めていた。

無口で真面目な少女、花園 ゆりな。
誰にも言えない傷を抱え、笑い方すら忘れていた。

そんな二人を繋いだのは、「名前だけ」の婚約。

名前だけの『恋』なんて、いらない。
「この婚約があるからって、私と対等だと思わないで」

すれ違う視線、『依存』を求めて——
「ねえ、紙の上に書かれた『居場所』に、私がいてもいいの？」

それでも、この関係を壊したくないって、思ってしまった。