概要
本よりも、あなたが読みたかった。
静かな川辺の古本屋で働く葉月は、水曜日にだけ訪れる青年に心を惹かれていく。名前も知らないまま、光と沈黙の中で育まれていく淡い想い。ある雨の日、彼が手渡した一冊のノートが、ふたりの心の距離をそっと変えてゆく――。
これは、声にならなかった恋が、詩になるまでの物語。
これは、声にならなかった恋が、詩になるまでの物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!静けさの中で芽生える、春光みたいに優しい恋の物語
春の午後みたいに静かで澄んだ恋物語やねん……。
舞台は小さな古本屋。そこにふと訪れる、ひとりの男性。
言葉も交わさへん、ただ同じ空間にいるだけの関係やのに、
その“気配”だけで胸がふわっと揺れる――そんな恋のはじまりが描かれる作品。
派手な展開も、大きな事件もない。
でもな、ページをめくるたびに空気が変わるんよ。
光、ほこり、静けさ、紙の匂い……
まるで古本屋の午後を一緒にすごしてるみたいやった。
読む人の心にすっと染み込んでくる、
“音のない恋”が生まれる瞬間の物語やで。
【講評】
この作品の魅力は、なんと言っても 「静の美しさ」 やなぁ……。
● 情景描写がすごく繊細で、
光の…続きを読む