なんて綺麗なんだろう、というのが1番初めに溢れた気持ちです。
文学的な響きをもつ美しい言葉の数々に惚れ惚れします。
季節の情景描写や穏やかな心情描写に引き込まれ、心なしか風鈴の音が聞こえてくるような小説でした。
夏の風景とその中に浮かぶ2人の影がありありと目に浮かび、その純粋な濃度にくらくらしました。
優しいもの、切ないもの、美しいもの。いろいろなものがじんわりと文章の中に溶けていて、読後、短編とは思えないほどの満足感と清涼感を味わいました。
あまりの素晴らしさに感動して久々に小説で泣きました。ありがとうございます。