概要
誰しもが見せぬ哀しみを背に生く路、一つ吹いた風が見せた白に滲む愁傷
初めてその制服に袖を通した日、一つ強い風がその背を追い越した。膨らむスカートを手で押さえる所作などは知らず、風と共に流れて行った何かを目で追った。何処までも疾走る風は春の花弁を巻き込んで、巻き上げる。この星の中心点へと重力に呼ばれるがまま引き寄せられ、結果一番初めに出会った遮蔽物に阻まれそこに在ったに過ぎないそれは、その軛から解放され彼方へと飛んで見えなくなった。目に見えぬ風は、目に見えるものによってその在り方を認識させる。今しがたその制服姿を置き去りにした春疾風の行き着く先は何処なのだろうか。
何処に、何が、誰に届くのだろう。
解らない、だからこそ、想うのだ。
判らない、だからこそ、知りたいのだ。
分からない、だからこそ、願うのだ。
何処に、何が、誰に届くのだろう。
解らない、だからこそ、想うのだ。
判らない、だからこそ、知りたいのだ。
分からない、だからこそ、願うのだ。
頑張って書かせて頂きます。
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