距離

優しい顔に見合わない、嘲笑うような顔でれいは杏のことを見つめる。


涙がポロポロと流れてくる。


「たしかに気持ち悪いかもね」


「だってまだ好きなんだもん」


「なぜなら辛い時に、どん底にいた時に助けてくれたのはれいだからだよ。人生で初めて愛を教えてくれたのも、幸せだと思えたのもれいたった1人だけだったよ。」


「ほら、バカだって罵りなよ」


「バカ女って髪でも引っ張れば」


杏はその場で泣き崩れた。


「別れる時のこと思い出した。もうお前トラウマだわ。気持ち悪い。スッキリしたかったから言うこと言ってサヨナラしようと思ったけど、もう会わなければよかった。」


「もう二度と顔見せんな。吐き気する。」


そう言って、れいは去った。


ボロボロになった心で


帰り道を歩く


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