棍棒を握った瞬間、幼い私の頭脳に衝撃が走った。 こいつで頭をかち割りたい。 あの欲望は時を経ても一切消えず、私は殴るための大義名分に燃える。 これはきっともう、人間のサガ。・ 世界には膨大な数の生物がいるようだが、その中で人間だけが本能を超えた「衝動」を持ち得るらしい。 動物界には確かに天敵という存在があり、捕食被捕食の関係もある。 その中で人間だけは「全滅」を目的に行動ができ、かつその数を数えることができるというのだ。 この作品には人間の行き過ぎた衝動の姿が表れている。 それは動物の暴力ではなく、捻れた理性による蹂躙なのだ。
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