ダストバイブル

　魔道犯、そして海より出でる海妖への対抗組織「新聖審判」は、特殊な力を持つ「聖塵」を手に入れたことで誰でも魔術を放てる「聖法全書」なる魔道書を生み出した。
　組織の一員たる審官ジャックは七年前に海妖から自分を庇った妹リムレットを死に追いやりかけたトラウマを持ち、危険な任務をこなす兄の身を案ずる妹と次第にすれ違う。
　一方無許可で作家活動をするなど不真面目な性格が災いし、審官見習いの少女・ラフカに人前で大恥をかかせる。しかし彼女は聖塵・聖法全書を開発した偉人エヴァンを祖先に持つれっきとした令嬢だった。高難易度試験をパスして飛び級、年下ながら上官としてジャックの前に現れ、自身の研修担当者に彼を指名し圧をかける。
　研修中、蘇生魔術に手を出していた魔道犯ジェイコブを調べる中、妹・リゼを亡くした彼に…続きを読む