第4話 はた迷惑な天使様

「……明日の午後ね。ありがとう!やっぱりママは世界一!! ……今? お隣の叔父様の所。叔父様? ちょっと待ってて……」


 天使様は空いてる手でオレに書く物を要求し『オジサマになりすまして丸め込んで』と書いたものだから、オレは冷や汗混じりで“お母様”からのお礼の言葉を受け取った。


 で、今は何をしているかと言うと……買って来た割引のお弁当を二人して突いている。


「佐藤くんさあ~」


「別にテンナシでいいよ」


「テンナシってあだ名、気に入ってるの?」


「それは無いよ」


「じゃあ言わない! だから私の事も苗字で呼んでよ」


「りょーかい! で、何んなの? 天海さん!」


「うん! 後でお風呂と……佐藤くんのパンツとかスウェット貸してくれる?」


 その言葉にオレは危うくお茶を吹いてしまうところだった。


「な、何でオレのパンツなの??!!」


「だってしょーがないじゃん!着替えないもん!」


「だったら、叔母さんのを借りなよ! 叔母さんにはオレから謝っておくから!」


「そっか!その手があった!! 佐藤くん!天才!」


「何を訳の分からん事を……」


「で、そのの在処は分かる?」


「叔父さん達の寝室のクローゼットにあると思う」


「あーっ!ガサ入れした事あるんだ~やらしいなあー いくら叔母様が綺麗だからってそれは違うと思う」


「してねえし!!」


 こうやって散々オレを弄ってから天使様はお風呂に入った。


「どう?!似合う?」

 お風呂から上がって、お召し替えした天使様はわざわざオレの前に立ってクルリ!と一回りして見せた。


 オーラーと洗い髪の香りが辺り一面にキラキラと飛び交って……オレは天使様が本当はダメ女である事をしばし忘れた。





                       おしまい(^_-)-☆





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お隣の天使様がダメ女だった件 縞間かおる @kurosirokaede

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画