概要
佐倉杏、享年七十八歳。現世で人生をまっとうして疲れ切っていた杏に、女神フレイアが自分の創った世界に転生して欲しいと懇願する。最初は固辞していた杏だが、のんびりと暮らせるならと異世界で図書館の館長になることを引き受けた。
異世界で十六歳の身体になったアンは、この世界のナビゲーターに相談しながら、様々な問題を図書館館長のスキルを使って解決していく。
妖精、貴族、騎士団、対立する宗教団体と、否応なしに周囲の人々と関わることになるアン。だが「今世のモットーはのんびり生きていくこと」と、面倒を避け、昼寝の時間を死守しようとする。
現世で疲れ切った老女が、のんびり生きるといいながらも、ついつい真面目にがんばってしまう物語です。
設定はユルユル
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!自由気ままに異世界生活!
78歳で人生を終えたアンは、異世界の神フレイア様から「転生してほしい」と頼まれる。はじめは断ったのだが、フレイア様の懇願により、アンは異世界転生を承諾。彼女は赤ん坊からではなく、転生する世界の成人年齢である16歳から、人生をやり直すことに――
異世界で図書館長として暮らすアンの物語。とっても面白いです!なによりもまず、一番最初に転生を断っちゃう彼女の性格やノリの良さが好きでした。
アンは、より良い図書館を作るために色々試行錯誤を重ねていきながら、恋愛小説好きのキャサリンや、騎士団のアルベールら図書館の常連利用者と楽しい日々を送っていきます。楽しそうな彼女たちの姿に癒される作品です。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!異世界でふくらむ夢のような図書館ライフ
こんな図書館があったら行ってみたい!
この作品を読めば誰もがそう感じてしまうはず。
のんびりと異世界ライフを過ごすはずが、住人たちと触れ合ううちに色んなアイデアを思いついて張り切ってしまう、16歳のおばあちゃん館長が可愛らしいです。少女の姿でありながら、ときおり享年78歳の人生のベテラン的な視点が入ってくるのもクスッと笑わせてくれます。
宗教対立や識字率の低さなど、この世界ならではの問題もありますが、回を追うにつれどんどん図書館が魅力的な場所になっていくのが楽しくてわくわくします。
本という宝物がつまった場所への深い愛情を感じるお話。館長さんと夢のような図書館ライフを一緒に過ごしてみてはいか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読書を思い出して、忙しなさが薄れる嬉しさ
今のように常にスマートフォンを触ってなかった頃は図書館や本屋で文庫本を手にとって通学中に読んだりしていました。
今は仕事中はPCを見て、通勤中や帰宅後の家事にはスマホを使い、隙間時間をやりくりする生活に忙しなさを感じていました。
スマホやインターネットは便利ですが、私はずっとそれらを使い続けることに疲れていたようです。
このお話の世界は、現実程は便利ではないかもしれません。しかし、機械的な忙しない時間よりも、人間の歩く早さに近い時間が流れているようです。
そうしてこのお話を読むとき、日々の忙しなさを忘れる事ができるので、とても楽しんで読んでいます。
もちろん色々なイベントは起きると思いますが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本の妖精にもう一度会いたいあなたへ
ショートショートの偉人、星新一に『友だち』というちょっと異色な作品があります。(実はこのタイトルを確認するのに時間がかかっておりました)
小さい娘がどうも妖精と遊んでいると思い込んでいるようだと心配する父親からの相談を受けた医者はこういいます。
「われわれは本を読み、そこから限りない知識と創造力を得ています。しかし、自分でその楽しみを味わう方法を、幼いころ、最初に手ほどきしてくれたのは、だれでしょう。」
その部分を読んだときワタクシも物心のつく前、誰かと一緒に本を読んでもらっていたような感覚が甦りました。母親? 父親?いいえそれだけではなく、 どうも両親以外の誰かすごく身近に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!のんびり穏やかな異世界図書館・館長ライフ。読めば心温まる癒やしの物語。
七十八歳の人生を終えた後に待っていたのは、新鮮だけど穏やかな、のんびり異世界生活でした――
戦いや冒険を主としない異世界転生、いわゆる「異世界ライフ」ものとして、何とも秀逸な雰囲気感! セキュリティや生活面の配慮が万全な「図書館の館長」という安心できる枠組みだからこそ、ヒロイン・アンさんに共感するように、のんびりと読み進められる空気感が絶妙ですね……!
「今世のモットーはのんびり生きていくこと」とはいっても、根が誠実で優しいからか、ついつい頑張ってしまう部分も。そこにも「転生前の人生経験」を活かし、図書館運営に役立てるなど納得できつつ、異世界で出会った人々を驚かせる気持ち良さが楽しいで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本が好きなら、図書館が好きなら……( ;∀;)
本が好きですか? 僕はそう問われたら、勿論「はい!」と答えます。
僕は休日に外出する時は、高い頻度でカバンの中に必ず本を忍ばせています。読む読まない関係なく、本が手元にあると安心するんです。
そんな僕が時折訪れる図書館。初めて図書館に行った時、あの感動は忘れません。
外の喧騒から中に入った時、急にシンと静まり返った空間が僕を待っていました。目の前には驚く程の、本・本・本、好きなジャンルから見た事もないジャンルまで、途方ない量の本があらゆる棚を埋め、どれだけの時間をかければ全部読めるのだろうと、欲張りな事を考えていました(笑)。
さて、本作です。
異世界ファンタジーとして、異世界図書館の…続きを読む