異世界×図書館のほっこり日常もので、78歳の人生経験を持つ16歳館長が、のんびりしたいのに結局まじめに頑張ってしまうお話です。
主人公は、人生をやり切った78歳の女性・佐倉杏。死後、女神フレイアに「異世界の均衡のため転生してほしい」と頼まれ、赤ん坊からではなく16歳の姿で、図書館の館長として再スタートします。
主人公が最初に転生をバッサリ断るところから始まり、図書館に与えられるスキルをどう使っていくのかというワクワクがあります。
本作は「大事件で引っぱる」のではなく、図書館が少しずつ「町に必要な場所」へ育っていく面白さがあります。
本の目録作りをきっかけに利用者の熱量が一段上がったり、紙が貴重な世界でカードを孤児院にプレゼントしたり、小さな積み重ねが日常をよりよく彩っていきます。
人間(?)関係も面白く、女神フレイアの人間くさい反応と主人公の現実的ツッコミ、妖精さんとの共同生活、図書館の常連さんとのやり取りなど、会話のテンポも良く、楽しくするすると読めます!
異世界転生でも、俺TUEEEやざまぁの刺激より、生活の立て直し・町の改善・人との穏やかなつながりが好きな人に刺さります。
図書館や本が好きな人はもちろん、「疲れたから優しい物語を読みたい、でもやりがいも欲しい」という人に丁度良いと思います。
のんびりしたい館長アンは、この先も昼寝を死守しながら、どこまで図書館を育て、図書館に関わる人々とどのような関係を紡いでいくのか。
一緒に彼女の生活を覗いてみませんか?
78歳で人生を終えたアンは、異世界の神フレイア様から「転生してほしい」と頼まれる。はじめは断ったのだが、フレイア様の懇願により、アンは異世界転生を承諾。彼女は赤ん坊からではなく、転生する世界の成人年齢である16歳から、人生をやり直すことに――
異世界で図書館長として暮らすアンの物語。とっても面白いです!なによりもまず、一番最初に転生を断っちゃう彼女の性格やノリの良さが好きでした。
アンは、より良い図書館を作るために色々試行錯誤を重ねていきながら、恋愛小説好きのキャサリンや、騎士団のアルベールら図書館の常連利用者と楽しい日々を送っていきます。楽しそうな彼女たちの姿に癒される作品です。
物語が進むにつれ、本の妖精さんが登場したり、神官や新たな従業員も加わり、より賑やかになっていく図書館。夢ある図書館ライフが羨ましくなること間違いなし。
こんな図書館があったら行ってみたい!
この作品を読めば誰もがそう感じてしまうはず。
のんびりと異世界ライフを過ごすはずが、住人たちと触れ合ううちに色んなアイデアを思いついて張り切ってしまう、16歳のおばあちゃん館長が可愛らしいです。少女の姿でありながら、ときおり享年78歳の人生のベテラン的な視点が入ってくるのもクスッと笑わせてくれます。
宗教対立や識字率の低さなど、この世界ならではの問題もありますが、回を追うにつれどんどん図書館が魅力的な場所になっていくのが楽しくてわくわくします。
本という宝物がつまった場所への深い愛情を感じるお話。館長さんと夢のような図書館ライフを一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか。
今のように常にスマートフォンを触ってなかった頃は図書館や本屋で文庫本を手にとって通学中に読んだりしていました。
今は仕事中はPCを見て、通勤中や帰宅後の家事にはスマホを使い、隙間時間をやりくりする生活に忙しなさを感じていました。
スマホやインターネットは便利ですが、私はずっとそれらを使い続けることに疲れていたようです。
このお話の世界は、現実程は便利ではないかもしれません。しかし、機械的な忙しない時間よりも、人間の歩く早さに近い時間が流れているようです。
そうしてこのお話を読むとき、日々の忙しなさを忘れる事ができるので、とても楽しんで読んでいます。
もちろん色々なイベントは起きると思いますが、このお話を見つけられて良かったですし、この世界が続いてくれるととてもありがたいです。
ショートショートの偉人、星新一に『友だち』というちょっと異色な作品があります。(実はこのタイトルを確認するのに時間がかかっておりました)
小さい娘がどうも妖精と遊んでいると思い込んでいるようだと心配する父親からの相談を受けた医者はこういいます。
「われわれは本を読み、そこから限りない知識と創造力を得ています。しかし、自分でその楽しみを味わう方法を、幼いころ、最初に手ほどきしてくれたのは、だれでしょう。」
その部分を読んだときワタクシも物心のつく前、誰かと一緒に本を読んでもらっていたような感覚が甦りました。母親? 父親?いいえそれだけではなく、 どうも両親以外の誰かすごく身近にいる存在からも読んでもらっていたような気がするのです。やはり、あれは本の妖精だったのではないでしょうか。
大人になって自室で本に囲まれて暮らすという夢を叶えたワタクシですが、本の妖精とは再会できていませんでした。
だから、この異世界図書館にすむ可愛い本の妖精たちと再会できたとき、懐かしさで胸が熱くなりました。館長さんが羨ましいです。
さあ、懐かしい本の妖精にもう一度出会いたいあなた、是非この不思議な異世界図書館を御来館下さい。
七十八歳の人生を終えた後に待っていたのは、新鮮だけど穏やかな、のんびり異世界生活でした――
戦いや冒険を主としない異世界転生、いわゆる「異世界ライフ」ものとして、何とも秀逸な雰囲気感! セキュリティや生活面の配慮が万全な「図書館の館長」という安心できる枠組みだからこそ、ヒロイン・アンさんに共感するように、のんびりと読み進められる空気感が絶妙ですね……!
「今世のモットーはのんびり生きていくこと」とはいっても、根が誠実で優しいからか、ついつい頑張ってしまう部分も。そこにも「転生前の人生経験」を活かし、図書館運営に役立てるなど納得できつつ、異世界で出会った人々を驚かせる気持ち良さが楽しいです。
基本的にアンさんの「関わっていくお客さんへの心遣い」という優しさが元ですから、その優しさが周囲へと伝播し、「異世界図書館」という一つの舞台を中心に、コミュニティが形成されていくのも喜びがありますよね……。
う~ん、何とも素晴らしき「のんびり異世界ライフ」……ついつい、この異世界に行ってのんびりしたい! と思わせてくれるのは、本当にお見事です……!
読めばきっと癒される、のんびり穏やかな物語。
ちょっと疲れた日、試しに本を開いてみれば、きっと心安らぐはず……。
是非ともご一読、おすすめ致します!
本が好きですか? 僕はそう問われたら、勿論「はい!」と答えます。
僕は休日に外出する時は、高い頻度でカバンの中に必ず本を忍ばせています。読む読まない関係なく、本が手元にあると安心するんです。
そんな僕が時折訪れる図書館。初めて図書館に行った時、あの感動は忘れません。
外の喧騒から中に入った時、急にシンと静まり返った空間が僕を待っていました。目の前には驚く程の、本・本・本、好きなジャンルから見た事もないジャンルまで、途方ない量の本があらゆる棚を埋め、どれだけの時間をかければ全部読めるのだろうと、欲張りな事を考えていました(笑)。
さて、本作です。
異世界ファンタジーとして、異世界図書館の館長のお話です。こちらの物語がすごいのは、派手なバトルや冒険や、勿論ざまぁ展開もないです。だけど、すごく、すごく、心を惹かれます。この物語は筆者様の、「本への愛情」と「人への愛情」が、深く、深く、結びついて、得難い持ち味をいかんなく発揮している傑作だと思います。
お勧め致します。
図書館という場所を通して描かれる異世界人間模様、本に携わる想いが優しく溢れています。正直、楽しくてずっと読めるなぁと思います。
皆様、是非、是非、宜しくお願い致します( ;∀;)