概要
その街で唯一「無罪」である少年トーガは、双子の姉であるムツミと共に下層で虐げられながら暮らしていた。
街の歪みに怒りを覚えながらも無力だったトーガは、ある日バイクに乗った真っ白な女――イリーシャと出会う。
自らを「違法使い」と名乗るイリーシャは、トーガに手を差し伸べてこう誘った。
「少年――私と一緒に、この街をぶっ壊さないかい?」
少年は運命に出会い、世界の真実を知る。
これは願いを背負い、壊す物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この物語は何度俺たちの度胆を抜けば気が済むのだ!?
罪の重さが力になるクソみたいな街と、それをぶち壊したいと望む無罪の少年。そして、彼の前に颯爽と現れる怪しいおねーさん。
導入からして心をグッと掴んで止みませんが、驚くべきことに上記はこの世界のほんの表層に過ぎません。
魅力的な登場人物たちが織りなす軽妙なやり取りや外連味溢れる異能バトルアクション。その水面下で複雑にもつれた世界の謎が紐解かれ、その果てに真に糾されるべき罪が白日の下に晒される。その過程こそまさしく「解体」。巧緻極まるストーリー展開は、幾度となく読者の度胆を抜くこと請け合いです。最後までこの作品を読み終えた時、あなたはタイトルに込められた本当の意味を理解することになるでしょう。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少年を「少年」と呼ぶタイプのお姉さんはとてもよいとされている
完結記念レビューです。
罪の重さが異能力の強さに直結する街で、無罪=無能力者の少年が、少年を「少年」と呼ぶタイプのお姉さんと一緒に、いろいろなものをぶっ壊していくお話。
双子なのに何かと世話を焼こうとするタイプの姉もいるぞ!
ぶっ壊していく対象とともに大きくなっていく世界観、同時に規模を増していくバトル描写、そしてそれらを根底から支える設定・ロジック。
ひみつ道具こと遺産の名前をはじめとした、クスリと笑える要素にも事欠きません。
一見異能力バトル物の冒頭に見える冒頭なのに、なぜ作者はこれを「SF(サイエンスファンタジー)」と称しているのか、実際に読んで確かめてほしいところです。
確かめ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「ライトノベル」とは何だ? "これ"だ!
2週間ただひたすら長編を書きまくり電撃小説大賞に応募しようとするという 何とも過酷で困難なことを成し遂げようとしている作品がある それがこの「違法使いの都神解体《ジェイルブレイク》」です
とにかくもう一つ一つの要素が強力なうえ無駄がない。治安の終わった街。どこにも行けない閉塞感に懊悩する少年。傍若無人な双子の姉。ミステリアスな謎のおねーさん。心が生む異空間。小ネタ的パロディ盛りだくさんのひみつ道具。そして異能バトルとミステリの幸福な結婚によって生まれた、幾重にも重なりあった真実。作者がこれまでカクヨムファイターとしての執筆の中で鍛えた、圧巻の筆力と構成力によってこれらがまとめ上げられ、物語が…続きを読む