有名な百物語では、怪談を100話語り終えると、本物の物の怪が現れるとされます。七物語はその呪術的要素を凝縮したもので、失せものが現れるの秘術だそう・・・。7つの物語を語り終えたとき、何かが起こるのでしょうか?ひとつひとつの物語は、真相がはっきり分からない少し不思議なお話です。そのまま読んで余韻を残してもいいし、それぞれの話の意味を考えてみるのも一興でしょう。
どの話も、ものすごく怖い話というわけではない、はっきりとおばけが出てくる話というわけでもない。淡々と語られる話ですが、でも、どれも、少しだけ不思議で、うっすらと、怖い。こういうホラー、いいですね。
語り部が変わりながらオムニバス形式で語られる七つのジワる恐怖譚。時は昭和初期〜と思われますが、レトロ感も時代のうちなのか、親しみやすい時分の情緒を感じ取ることができ、ホラーも含め感慨に耽る余地も…続きを読む
佐藤宇佳子さまがついに殻を破った。既出作品と一線を画す世界を見せた。この物語を読むと、区別や分類が便宜上のものであることを再認識する。私たちは「なくす」ことを過剰に恐れてはいないか。丁寧に作品世…続きを読む
オムニバス形式で、怖い体験談が展開していきます。 それはそれぞれ日常のすぐ隣にある物語で、特に人が死んだり呪いで不幸になったりすることもありません。しかし確かにそれは普通ではありません。 現…続きを読む
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