ファンタジーミステリーです。主人公は老いた神官。謎は「盗まれた骨を見つけよ」。真偽鑑定の儀(質問の答えが本当なのか嘘なのか確かめる)で犯人を探します。この設定を活かしながらの推理シーンが鮮やかで、とても楽しめました。また、自分はキャッチコピーの「どんでん返し」が気になったので、「実は〇〇だった」な展開はワクワクしました。
よく練られたプロットだと思います。ファンタジーならではの魅力と謎解きの面白さが詰まった、完成度の高い一作です。物語全体に漂う静かな緊張感や、主人公の観察眼を軸にした謎解きの展開に飽きが来ません。大司教の現実的な判断などリアルで良いですね。神殿内の権力構造や形式主義化、信仰の薄れといったテーマ。それらとファンタジーらしい神秘的な設定が見事に融合し、お話に深みを与えています。気になるのは主人公が高齢なことだけですね。どうするんでしょうね、これから。こういうお話はこういう終わり方が、読者の想像力をかき立てて良いのかもしれませんね。
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