後編
予告通り、福袋の開封配信ははじまった。
【英雄福袋】を購入した、有名配信者の動画である。
「それじゃ、福袋、開封するよー」
《待ってた》
《wktk》
《ちゃんと当たりがあったからなぁ》
《これは当たりかな??》
有名配信者はごそごそと、福袋を開けて手を突っ込む。
そこから、まずポーションを次々と取り出す。
「まずは中級、上級ポーションがそれぞれ10本ずつ」
《ちゃんと入ってる》
《オリハルコンは?》
《オリハルコン入ってる??》
「で、これは、おお!
じゃん!!」
続いて有名配信者が取り出したのは、券だった。
《ハイランク武器or防具交換券!!》
《もうこの時点で、金貨5枚は安い》
「で、これが、オリハルコンか!」
だんっ、と少し重そうな音を立てて、それは置かれた。
オリハルコンである。
《゜+。:.゜おぉ(*゜O゜ *)ぉぉ゜.:。+゜》
《ちゃんと入ってた!!》
《って、ん?》
《どした??》
有名配信者が福袋の中を見て、それから取り出して並べた福袋の中身を見る。
交互にそれらを見る。
「え、これ、まじか」
《どしたどした??》
《??》
有名配信者はそれを、福袋から取り出した。
万能薬である。
《え?!》
《まじか!!》
《当たりだ!!》
《!!》
《!?》
《!!??》
《スゲ━━━ヽ(゜Д゜)ノ━━━!!!!》
ここで少し、動画がカクついた。
そして伸びる同接数。
「これで金貨5枚……。
大丈夫か、冒険者ギルド。
赤字で潰れたりしないか??」
《ほかの人も開封動画あげてるみたいだ》
《別の動画だとエリクサー当てた人がいたぞ》
《そっちもすげー!!》
「て、おわ?!
同接数がえぐい事になっとる……」
こんな感じで、さまざまな配信動画は盛り上がりをみせていた。
※※※
福袋の企画担当者たちは、さまざまな開封動画や掲示板での反応をみていた。
エゴサである。
やはり、反応は気になるのだ。
「今年限りってことで、頑張った甲斐があったなぁ」
「交渉役には、話術士のスキル持ちまで総動員しましたからね」
購入者の反応は概ね好評で、とりあえず胸を撫で下ろした。
企画は成功といってよかった。
エゴサを終え、企画担当者たちはお互いハイタッチで成功を喜んだのだった。
しかし、この時の彼らは知らなかった。
この企画、彼らの予想以上に好評だったため、来年以降も望まれ、定着していくことに。
そして、工房や職人への交渉役が地獄をみるほど忙しくなってしまうことに。
【福袋】冒険者ギルドがおくる【企画】 ぺぱーみんと/アッサムてー @dydlove
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。