エピローグ(ボツネタ…Bad End)

教会の鐘がいつもと変わらない音を響かせる中、サーリャは静かに祈りを捧げていた。

目を閉じ、心を落ち着けるように息を吸い込む。

いつものように扉が開き、足音が近づいてくるのを感じた。


「…来てくれたのね。」


顔を上げると、そこにはキミの姿が…と、思った。


だが、その足音の主が近づき、目の前に現れた瞬間、サーリャの瞳に映ったのは、全くの別人だった。


「すみません、ここが祈りの場だと聞いて…」

その言葉に、サーリャは笑顔を作りながら静かにうなずいた。

「ええ、どうぞご自由に。」


しかし、その声はかすかに震えていた。

サーリャは教会の隅に戻り、一人静かに座り込んだ。


「……あの子は、もういない。」


頭を抱えたサーリャの心には後悔と自責の念が渦巻いていた。

自分がもっと強ければ、もっと早く気づいていれば…キミを守れたのではないか。

そんな思いが、心に深い爪痕を残していた。


数日後、サーリャは教会を離れる決意をした。

彼女は訪れる街や村を歩き続けた。

どこに行っても、いつもキミを探してしまう。ある日、人混みの中で、あなたによく似た後ろ姿を見つけた。

衝動的に駆け寄り、肩を掴んで振り向かせる。しかし…


「え?何か…?」

振り返ったのは、全く知らない人だった。


「す、すいません。人違いでした…ごめんなさい。」

そう言って、その場を足早に立ち去る。

心臓の鼓動が早まり、足元がふらつく。


もう、あなたはいない。

何度も心に刻み込んだはずの事実が、それでも彼女を苦しめ続ける。


その後のサーリャの行方を知る者は誰もいない。

彼女がどこで何をしているのか、誰も知ることはできない。


ただ一つだけ確かなこと――彼女の心の中には、いつまでもあなたの姿が残り続けていた。



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光と影の守護者 ruki @xxrukixx

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