概要
幼き日の約束を胸に、固い決意を持った皇女は東の地へ向かう
人間と獣人種、精霊種、そして魔族。四つの種族が共存する大陸。
大陸を治める帝国の皇女ジェラードは、父である皇帝が〈東部開拓領〉の中枢都市トロイメアを大陸中央と結ぶ鉄道の開通式に出席する折、母親と共にお忍びでついてきていた。
しかし、そこで〈東部開拓領〉の独立を目指す過激派〈東部解放戦線〉の起こした破壊工作に巻き込まれてしまう。
両親とはぐれたジェラードはそこで同じく爆発に巻き込まれ母を亡くした幼い少女と出会う。
『この土地は、腐っている』
少女の言葉に強いショックを覚えたジェラードは自分こそがこの事態を巻き起こした犯人たちを捕らえ、〈東部開拓領〉の土地を変えるのだと少女に約束する。
それから十年の後、ジェラードは本来の身分を隠し〈東部開拓領〉の治安を維持する捜査官として再び〈東部開
大陸を治める帝国の皇女ジェラードは、父である皇帝が〈東部開拓領〉の中枢都市トロイメアを大陸中央と結ぶ鉄道の開通式に出席する折、母親と共にお忍びでついてきていた。
しかし、そこで〈東部開拓領〉の独立を目指す過激派〈東部解放戦線〉の起こした破壊工作に巻き込まれてしまう。
両親とはぐれたジェラードはそこで同じく爆発に巻き込まれ母を亡くした幼い少女と出会う。
『この土地は、腐っている』
少女の言葉に強いショックを覚えたジェラードは自分こそがこの事態を巻き起こした犯人たちを捕らえ、〈東部開拓領〉の土地を変えるのだと少女に約束する。
それから十年の後、ジェラードは本来の身分を隠し〈東部開拓領〉の治安を維持する捜査官として再び〈東部開
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!傷と約束を胸に、皇女が仲間と街を変える物語。涙も笑顔も熱い一冊です!!
りょーめんさんの『皇女は異能の者たちと躍る【本編完結】』、序盤から胸を掴まれました。開通式の爆発と瓦礫の少女に誓う「この土地を変える」が物語の芯。トロイメア(新市街/旧市街/東岸)の空気の差、相棒ミセラと蜥蜴の隊長エルドレッドらの息遣いも鮮やか。富豪クロスターの賄賂を一喝し蝶ネクタイごと机に押さえつける場面は痛快で、『黒き淑女』との対決が一気に動き出す。薔薇の香りの淑女ベスティラと『黒い刃の人形』の不穏さも最高。難解さに頼らず会話で走る筆致と、迷いながらも進むジェラードの覚悟が読者の背を押す。完結まで追いかけます。
- ★★★ Excellent!!!ファンタジーとミステリーが交錯する、熱くも切ない冒険譚!
祝賀の広場に響く爆発、そして幼い皇女が叫んだ「それなら、私が変える!」という決意――ここにすでに物語の核が込められていて、胸を打たれます。
十年後、皇女ジェラードが身分を隠し、ただの捜査官として現場に立つ姿はとても印象的です。
与えられた役割に甘んじるのではなく、自らの手で真実を掴もうとする強さ。
それは彼女が過去の約束を覚えているからこそであり、痛みを抱えながらも前に進む姿がひときわ輝いて見えました。
さらに惹かれたのは、登場人物たちの個性の豊かさです。
どの人物も一筋縄ではいかず、印象に残ります。
敵キャラクターに至っては、単なる「悪」として片付けられない信念や背景を抱えており、その…続きを読む