傷と約束を胸に、皇女が仲間と街を変える物語。涙も笑顔も熱い一冊です!!

りょーめんさんの『皇女は異能の者たちと躍る【本編完結】』、序盤から胸を掴まれました。開通式の爆発と瓦礫の少女に誓う「この土地を変える」が物語の芯。トロイメア(新市街/旧市街/東岸)の空気の差、相棒ミセラと蜥蜴の隊長エルドレッドらの息遣いも鮮やか。富豪クロスターの賄賂を一喝し蝶ネクタイごと机に押さえつける場面は痛快で、『黒き淑女』との対決が一気に動き出す。薔薇の香りの淑女ベスティラと『黒い刃の人形』の不穏さも最高。難解さに頼らず会話で走る筆致と、迷いながらも進むジェラードの覚悟が読者の背を押す。完結まで追いかけます。

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