冷たい冬景色の中で、暖かく紡いでいく物語に優しさと純粋さを思い出します

印象的な冬景色の中で、ゆっくりと男性から女性へ変化する。
体の変化だけではなく、心もゆっくり女性へと変化する。

それは自分を認識するすべてが不自然に変わってしまう、そんな不安を連れてくるのかもしれません。

普通の恋愛や人間関係でも悩みが尽きないのに、それに加えて性別の変化が起こったら自分だったらどうなるのだろう。

逃げられない現実と雪に閉ざされた街の印象が重なります。

真実に悪い人間なんてどこにも居ない。
ただ、雪が降っていて、人は一人では生きられない。

主人公のせつない思いがどこに着地するのか見届けたい、そんな気がします。