ワンシチュエーションの緊張感が、強烈に伝わってくる作品です。
ある雪の日、死体を埋めに来た主人公。その途中で彼は、本来は人がやってこないような土地に、「一人の女性」がふらりとやってきたのを見てしまう。
自分の犯行現場を見られてしまった。その時、彼が取ろうとする行動とは。
雪の日。誰も来ない場所。そこで遭遇してしまう二人。ヒリヒリとした緊迫感に満ちていて、作中世界に引き込まれます。
本作でテーマとなっている「油断」という言葉。
「狩る側」にある存在は、どうしても油断する瞬間がある。それは「獲物を狩ろうとした瞬間」であること。某「HUNTER×HUNTER」などでも有名なあのフレーズが、ふと頭をよぎります。
緊張感と、そこからの逆転。最後まで飽きさせずに読者を引っ張ってくれる作品です。