雪が降る日は

@mia

第1話

 読書をしていたらなんとなく肌寒く感じたのでしおりを挟んで閉じる。

 時計を見るともうすぐ二十三時時だ。

 窓へ近づきカーテンを開けると雪が降っていた。ため息をつきカーテンを閉めてソファーに戻り、タブレットに声をかける。


「ラーイッシュ、僕だけど気象情報教えて」

『どちらの僕ですか』

「僕だよ、ケントだよ。気象情報を教えて」

『了解しました』


 天気が変わっている。ずっと雨の予報だったのに一週間雪になっている。


「ラーイッシュ、会社はどうなってる?」


 明日から出社ではなく自宅での作業と変更になっている。雪に有害物質が含まれているので、雪が降る日は外出を避けるのが当たり前だから。うちの会社はホワイトなので無理やり出社させるようなことはない。

 確認していくとチームの予定に今までなかった明日の九時からチーム打ち合わせが入っていた。自宅勤務に変わったので作業の調整だろう。

 僕の仕事は自宅でも会社でもやることは同じなので特に問題は感じない。


「ラーイッシュ、食料の在庫、教えて」


 よしよし、カップ麺が二箱ある。冷凍食品は旬の野菜や惣菜が何種類かある。

パンと卵と牛乳は朝食三日分しかないがまあいいや。他のものを考えよう。そうだ、防災用に買ってあった缶詰も食べていこう。

 一週間の食事の心配はしなくて済みそうだ。日用雑貨も確認するがストックがあるのでこの一週間で困ることはない。

 問題なく過ごせそうで一安心だ。


 二十年ほど前、僕がまだ小さかった頃は、降った雪で家族で雪だるまを作ったり、 友達と雪合戦をした覚えがある。

 いつからこんなことになってしまったのだろう。

 僕が考えても仕方がないことなので、読書の続きをすることにした。

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