俺の雪だけ溶けないんだが？

天才、鬼才の集まる天下のサッポル第一魔法学院。
その卒業試験は天候操作魔法の実演だった。

春先近く、暖かくなりつつあるその日。
ソウハ・ナランヤローはこんこんと雪を降らせて見せ、教授たちからの熱い祝福を背に魔法学院を卒業した。

「おめでとう！　流石はソウハだ！」
「よくやった！　お前は実はやる奴だと思ってたんだ！」
「やった！　これで問題児に頭を抱える日々ともオサラバだ！」

そう。彼は鼻高々に卒業した――はずだった。

「あなたの出した雪だけ溶けないんだけど」

「そんなバカな」

「こんなの雪とは認められません。したがって卒業取り消しとします。それが嫌ならなんとかしなさい」

「そんなバカな！」

今、第二の卒業試験が幕を開ける――！