18.換金②
「えっ!?あっ、え!?」
金髪の短い髪、材質の良い青色のドレス、そしてキラキラと輝くティアラ。
俺に抱きついて来たその子は、「英雄様」などと俺を褒めちぎっている。
その様子に、ラミは驚いた様子で声を上げた。
「ティーア様!?」
「え、てぃ、ティーア?」
「ティーア・サルオン様!ここの……姫様!」
「姫様!?」
どうしてそんな子が俺に抱き付いてきているんだ!?
そんな事を考えていると、ティーアは俺から離れる。
「はっ!こ、これは失礼致しました……私としたら!」
ティーアは俺に深々とお辞儀をして、続ける。
「先程は街の危機を救って下さいまして、本当にありがとうございました。」
「いえいえ……。」
「実は、あの場には私も居たんです。」
「え!?」
「ですから、もし皆様が来て下さらなければ今頃土の下に……すぐにでもお礼をしたかったんですが、無礼でしたね。申し訳ありません。」
数秒前とは打って変わってティーアは姫に相応しい振る舞いになり、人の良い笑顔を浮かべる。
「それで、皆様はどうして城に?」
「姫様を助けたこの男__レスって言うんだけど、こいつが良いキングオークの宝石を手に入れたので、見せに来たの。」
ミーラの発言に、ティーアは嬉しそうに両手を叩いて跳ねた。
「それは素晴らしい!是非見せて下さい。」
「ええ、勿論。」
そして、ミーラは鞄から丁寧に包まれた宝石を取り出し、ゆっくりと開けてみせる。
「まあ……!」
キングオークの宝石はシャンデリアの光を反射して輝き、俺が手に入れた時よりも高価そうに見える。
ティーアも、俺も、周りの三人も、その綺麗さに思わずうっとりとしてしまった。
「本当に素敵!こんな代物、見たことがありません!是非お父様とお母様にも見せてあげてください!」
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